自動運転機能の効率的なインテグレーションのための、ソフトウェアおよび開発支援環境を備えた試作ECU用HADプラットフォーム

Razormotionは、ルネサス とTTTech Computertechnik AG(以下、TTTech)が共同開発しました。

Razormotionは、2016年10月にリリースした実車評価実験用のHADソリューションキットを、さらに試作ECUに向けて拡張展開したものです。ハードウェアは、HADソリューションキットと同様に、2つのR-Car H3 SoC(システムオンチップ)およびRH850/P1H-Cマイコンで構成されており、ASIL-D機能安全(注1)に対応するECU開発をターゲットに開発しました。

自動運転車の実現に向けては、センシング処理や経路計算など、多くのソフトウェアを並行で開発する必要があります。このRazormotionは、TTTechのソフトウェアプラットフォームTTIntegrationを搭載しているため、効率よくソフトウェアをシステム統合することができます。そのため、Tier1、OEMは、Razormotionを使用してすぐに試作ECU上でソフトウェアを容易に検証・インテグレートでき、開発期間を短縮し自動車の量産開始までの時間を短縮します。

このRazormotionは、熱設計と衝撃抵抗上の要求に基づいて開発されています。車室内や荷室内に搭載するIP51保護レベル(注2)を対象としたアルミニウム外装で提供されます。さらに、Razormotionは、直接自動車電源に接続でき、-40~+85℃の動作温度や運転中の振動に対応します。また、容易に自動車に適応できるよう、ケーブルやガイドラインも付属します。

TTIntegrationは、複数のCPUレベルで同期をとり、これらCPUを用いて複数のアプリケーションの実行が可能となります。システム上でデータの共有やアプリケーション毎にハードウェアの開発を行い統合することも可能であり、システム構築の自由度が向上します。各種オペレーティングシステムで稼動するAUTOSARも準備されており、開発済みのアプリケーションの移植もスムーズに行うことができます。標準PC上の協調シミュレーション環境により、PC上で動作するアプリケーションと並んで組み込みRazormotion上で機能を開発することが可能です。あたかも単一ドメインのECUであるかのように、同一データ、サービスをすべて共有できます。したがって、すべてのアプリケーションソフトのシームレスなシステム統合やテストを、効率的に短期間で開発可能です。

  • (注1)ASIL (Automotive Safety Integrity Level)は機能安全規格ISO26262で定義される自動車用安全水準であり、QM (Quality Management)、A、B、C、Dで水準が示されます。ASIL Dが最も高い安全度水準です。ルネサスRH850/P1HCマイコンおよびTTIntegrationソフトウェアプラットフォームはすべてASIL-D機能安全規格に準拠します。ルネサスR-Car H3 SoCはASIL-B安全レベルに準拠します。
  • (注2)IPコードは国際基準IEC60529で定義されています。IP 51は防塵・防滴に該当します。

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