PowerPoint®で開発可能なタッチパネル「クリエイティブUIミドルウェア Aeropoint RZ/A」

事例紹介:GR-PEACH

「驚き・感動を、より多くの人に伝えるためのミドルウェア」を開発する株式会社CRI・ミドルウェア。同社のクリエイティブUIミドルウェア Aeropoint GUI for RZ/A(以後、Aeropoint RZ/A)は、IoT機器に求められるスマートなUIデザインをPowerPointで実現しています。Aeropoint RZ/Aの性能を顧客に実感してもらうために、同社の組込み事業推進部では、32ビットArm®プロセッサー RZ/A1Hを搭載したGR-PEACHを活用した実演用のプロトタイプを製作しました。

株式会社CRI・ミドルウェア

株式会社CRI・ミドルウェア

会社紹介: 「音と映像で社会を豊かに」を企業理念として、主に音声・映像関連の研究開発を行い、その成果をミドルウェア製品ブランドCRIWARE(シーアールアイウェア)として、ゲーム分野や組込み分野を中心にさまざまな分野に展開しています。

課題のポイント

  • UIデザイン開発の手軽さを、すぐに実感いただけるプロモーションツールがなかった

解決のポイント

  • 起動が早くコンパクトなGR-PEACHで実演用プロトタイプを製作

Aeropoint RZ/Aの性能を実感してもらえる試作機の必要性

株式会社CRIミドルウェアの組込み事業推進部の滝口誠部長は、GR-PEACHなどのRZ/Aシリーズに対応したAeropoint RZ/Aについて、次のように説明します。

「Aeropoint RZ/Aは、IoT機器のタッチパネルやデジタルサイネージなどのユーザーインターフェースを簡単にデザインできるクリエイティブUIミドルウェアです。その特長は、プログラムレスな設計です。具体的には、PowerPoint®で描いたスライドをそのまま組込み機器の画面デザインやタッチ操作のインターフェースに利用できます。Windows®版のPowerPoint®2010以降に、当社の提供するツールキットを追加するだけで、タッチパネルなどの開発に必要な機能が利用できます」

IoT機能を備えたスマート家電や多機能な電子機器では、機能を選択したり各種のインフォメーションを表示するタッチパネルのデザインと使い勝手は、製品の魅力を大きく左右します。多くのユーザーに好まれる使い勝手をコストパフォーマンス良く開発するためには、効率の高いクリエイティブなUI開発ツールが求められています。こうした需要に応えるために、Aeropoint RZ/Aは開発されました。しかし、その性能や魅力を実感してもらうためには、カタログやセールストークだけでは、不十分だと組込み事業推進部では考えていました。こうした背景から「実際に、機器に組み込んだ状態でのデモが必須だと思いました。そこで、GR-PEACHとタッチパネルを組み合わせて、客先で実演できるプロトタイプを製作しました」と滝口氏は開発の理由を振り返ります。

株式会社CRIミドルウェア 滝口 氏

組込み事業推進部 部長
滝口 誠 氏

安定した供給と量産化やサポートの信頼性からRZ/Aシリーズを選択

株式会社CRIミドルウェア 近藤 氏

研究開発本部
グループリーダー リードエンジニア
近藤 文仁 氏

実際のプロトタイプ製作にあたり、ボードやデバイスを選定した研究開発本部のグループリーダーでリードエンジニアの近藤文仁氏は、GR-PEACHを採用した理由について、次のように話します。

「GR-PEACHの前に、音声系の「D-amp Driver」用にGR-SAKURAを採用していたので、映像系としてGR-PEACHを採用するのはスムーズな流れでした」

「2017年の11月に発表したAeropoint GUIでは、そのエンジンでOpenGL ES 2.0をサポートしていました。しかし、よりコンパクトで高いパフォーマンスを実現するために、我々の技術部門でRZ/Aシリーズへの対応を行ってきました。その結果、新たに開発した『リージョン制御技術』により、RZ/Aのグラフィックハードウェア性能を最大限に引き出せるようになりました。そこで、その性能を実感してもらえるように、GR-PEACHを活用したプロトタイプを製作しました。」

研究開発本部が開発した『リージョン制御技術』は、RZ/Aのグラフィック性能を引き出し、透過表示が可能な3つのUI画面と、カメラ映像の重ねあわせに、タッチパネル操作を実現しています。その性能の高さを実感してもらうために、試作機でGR-PEACHが選ばれました。さらに、GR-PEACHを選んだ理由には、「起動の速さも重視しました。Linuxベースの組込みデバイスでは、どうしても起動に時間がかかります。それに対して、RTOS対応のGR-PEACH ならば、USB電源をつなぐと同時に画面が表示されるので、すぐにデモを見てもらえます。また、実際の組込み機器として動作するときの速さも実感してもらえます」と近藤氏はGR-PEACHを採用したメリットについて補足します。

RZ/Aシリーズのグラフィックス性能を引き出す高度な技術力が評価される

GR-PEACHを採用したAeropoint RZ/Aの実演モデルを製作したことにより、組込み事業推進部では具体的な商談へと結びついています。滝口氏は「GR-PEACHによるプロトタイプで、高度なグラフィック描画や高いレスポンスのタッチ操作を実演すると、お客様からはRZ/Aシリーズのグラフィック性能を引き出した当社の技術力も評価していただけます。その結果、新しいデジタルサイネージの組込みシステムのUIミドルウェアとして、Aeropoint RZ/Aを採用していただきました」と成果を話します。

そして、近藤氏は「GR-PEACHでは、カメラなどのデバイスの取り付けが可能なので、撮影した映像とグラフィックの重ねあわせも、簡単に試作できました。また『リージョン制御技術』では、画面の描画や応答速度を上げるために、部分的な描画や時間のかかる処理をサスペンドしてRTOSに返すなど、高度な制御技術を駆使しています。その性能がお客様に伝えられたのも、このプロトタイプがあったからだと思います」とGR-PEACHのよるプロトタイプ製作を評価します。

PowerPoint®で描いたスライドをそのままタッチ操作インターフェイスに

PowerPoint®で描いたスライドをそのままタッチ操作インターフェイスに

試作機へのGR-LYCHEE搭載とRZ/A市場での認知度の向上を目指す

今後のプロトタイプ製作について近藤氏は「GR-PEACHからGR-LYCHEEへと、搭載するボードを発展させていきます。特に、カメラモジュールを利用したデモの需要が増えているので、GR-LYCHEE搭載モデルを増やしていく計画です」と話します。

また、滝口氏は「当社はこれまでゲーム業界を中心にビジネスを展開してきましたが、組込み事業推進部としては、RZ/A市場での認知度を向上させて、今後のビジネスを拡大させていきます。そのためにも、GR-PEACHやGR -LYCHEEのプロトタイプを営業ツールとして、積極的に活用していきます」と展望を語ります。

株式会社CRI・ミドルウェア

株式会社CRI・ミドルウェア 近藤氏、滝口氏

『Aeropoint RZ/A』の動態デモはこちらからご覧いただけます。

関連リンク
  • GR-PEACH
    GR- PEACHは32ビットArm®コア RZ/A1Hを搭載したボードで、400MHz動作、10MB RAMを内蔵しています。EthernetやマイクロSDを搭載。カメラやLCDなども拡張接続でき、画像処理を行うプロトタイピングに適しています。
  • GR-SAKURA
    GR- SAKURAは32ビットRX63Nを搭載したボードで、96MHz動作ができ、GPIOが豊富にあります。EthernetやマイクロSDを搭載。無線モジュールのXBeeも接続可能です。IoTプロトタイピングに適しています。
  • GR-LYCHEE
    GR- LYCHEEは32ビットArm®コア RZ/A1LUを搭載したボードで、384MHz動作、3MB RAMを内蔵しています。標準でカメラを付属、Wi-FiとBLEをサポートするESP32も搭載。カメラを使ったIoTのプロトタイピングにピッタリ!
  • RZ/A1H
    RZ/A1HはArm® Cortex®-A9 を搭載し、最大400MHzで動作可能な32bitマイクロプロセッサ―です。10MBの内蔵RAMをもち、外付けSDRAM無しでWXGAサイズ(1280x768) 2画面分を1チップで処理可能です。