デマンドクリエーションに取り組む一環でGR-KAEDEによるソリューションを開発

事例紹介:GR-KAEDE

優れた営業力と高度な技術力をあわせ持つ、付加価値創造型エレクトロニクス商社の加賀デバイス株式会社。同社は、半導体や映像情報機器などの販売から、顧客ニーズに応える設計や開発に、システム提案などをビジネスにしています。同社の事業戦略統括部では、技術サポートだけではなく、新しい事業価値を創造するデマンドクリエーションに取り組んでいます。その一環として、GR-KAEDEとカメラを組み合わせた『植物育成ソリューション』を開発しました。

加賀デバイス株式会社

加賀デバイス株式会社

会社紹介: 半導体、映像情報機器および情報通信機器の販売をはじめ、お客様ニーズに応えるシステムなどの開発・設計を行っており、海外にも目をむけた販売網の拡大に努めています。

課題のポイント

  • 新しい事業創造に向けたIoT商材の提案が求められていた

解決のポイント

  • カメラとUV-C LEDを組み合わせ、『植物育成ソリューション』を早期に開発

半導体を組み合わせただけのIoTシステムでは価値を十分に訴求できなかった

加賀デバイス株式会社の事業戦略統括部は、半導体製品の技術サポートや開発支援などのビジネスを推進しているだけではなく、新しい事業価値を創造するために、デマンドクリエーションに取り組んでいます。毎年、技術部のエンジニアが中心となって、最先端のテクノロジーやノウハウを習得する目的も兼ねて、ソリューションの開発を推進してきました。その経緯について同部の技術部で技術第二課の宇都野淳チーフは、次のように説明します。

「昨年までは、純粋にIoTの仕組みを提案するために、RZ/A1と通信モジュールを組み合わせたシステムを開発して、展示会などで紹介していました。しかし、汎用的なIoTの表現では、デバイスの汎用性の高さは示せるのですが、お客様にその用途や応用性を伝えるのが難しい、という課題がありました。そこで、もっと用途に特化したソリューションの開発に取り組んできました」

加賀デバイス株式会社 宇都野氏

事業戦略統括部 技術部
技術第二課 チーフ
宇都野 淳 氏

加賀デバイス株式会社 山下氏

事業戦略統括部 技術部
技術第二課 リーダー
山下 順 氏

実際のソリューション開発にあたっては、技術第二課のメンバーが中心となって具体的な提案をまとめていきました。その開発期間の課題について、同課の山下順リーダーが振り返ります。

「ソリューションの企画から完成までは、約3ヶ月の期間しかありませんでした。そのため、開発には短期間でソリューションを形にできる部品と開発環境の選定が必要でした」

東京と大阪に分かれて監視モニターとセンサーユニットを開発

IoTを具体的な形で見せるために『植物育成ソリューション』が開発された理由について、宇都野氏は「カメラとUV-C LEDを組み合わせたソリューションの開発を目指していました。そこで、展示会でも人目をひく効果があり、具体的な用途を伝えやすいと考えて、アクリルケースの中に植物が育っている様子を表現できる『植物育成ソリューション』を企画しました」と話します。

UV-C LEDは、殺菌やセンサブロックのに効果がある半導体で、その応用例を視覚的に表現する上で、水槽に発生する藻を抑制するデモンストレーションは、UVの働きや用途を伝えやすいと考えたのです。加えて、植物育成であれば、カメラによる定期的な遠隔監視というソリューションの提案にもつながります。こうして、カメラとUV-C LEDの効果を具体的なソリューションとして形にするために、東京と大阪の技術部がふた手に分かれて開発を推進しました。そして、大阪では山下氏が中心となって、カメラによる監視システムの開発に取り組みました。山下氏は「我々が提案したかったカメラモジュールは、少ない光量でも高い解像度で綺麗に撮影できるセンサー性能にありました。このカメラの魅力を伝えるために、短期間で監視ソリューションを開発しなければなりませんでした。そこで、カメラとの接続が容易で、サイズも小さくて、個人的にも使った経験があるGR-KAEDEを採用しました。GR-KAEDEには、カメラを接続して映像をウェブページに表示するサンプルソフトも用意されていたので、約2週間でソリューションを開発できました」と振り返ります。

カメラとUV-C LEDを組み合わせた『植物育成ソリューション』

カメラとUV-C LEDを組み合わせた『植物育成ソリューション』

GR-KAEDEを使ったカメラによる監視システム

GR-KAEDEを使ったカメラによる監視システム

Webサーバーとして植物の様子を表示して、自然な色味の画像をSDカードに保存

自然な色味の画像をSDカードに保存­

技術第二課で開発した『植物育成ソリューション』のカメラ監視システムは、GR-KAEDEのWebサーバー機能とイーサネット接続を組み合わせて、WiFiルーター経由でPCやタブレットのウェブブラウザから植物の様子をモニタリングします。ウェブページに用意された「記録」をタッチすれば、画像データをGR-KAEDEからSDカードへ保存も可能です。短期間での開発にあたり山下氏は「当社には、カメラのサポート部隊もいるので、そのスタッフに協力してもらい、自然な色味になるようにレジスタのパラメーターを調整しました。その調整も、GR-KAEDEのサンプルソフトの一部を修正するだけだったので、対応は容易でした。あとは、解像度をQVGAからVGAに変更し、更新のタイミングを調節して、SDカードへの保存なども追加しました」と説明します。

GR-KAEDEのWebサーバー機能とカメラ接続を活用して『植物育成ソリューション』は、アクリルケースの上部に取り付けられたカメラの映像を定期的にウェブブラウザに表示できるようになりました。そして、東京の開発部隊によるセンサユニットは、RL78/G1Dを使用したUV-C LEDの制御やセンサーデータの取得などをスマートデバイスから実現しました。

完成した『植物育成ソリューション』の成果について宇都野氏は「アクリルケースの中に生の野菜が入っているので、展示会でも多くのお客様に注目していただきました。もちろん、商談へのきっかけ作りにも貢献しています」と話します。

時間があればWebコンパイラの利用も検討していく

『植物育成ソリューション』を開発した技術第二課では、来年に向けた展示品の企画の準備も進めています。

山下氏は「今回の開発では、自分がC言語に慣れていたので、e2 studioを使いました。ただ、Webコンパイラもすごく使いやすそうなので、時間があれば試してみようと思います」と感想を述べました。

加賀デバイス株式会社

加賀デバイス株式会社 宇都野氏, 山下氏 他

『植物育成ソリューション』の動態デモはこちらからご覧いただけます。

『植物育成ソリューション』について詳しく知りたい方へ

植物育成ソリューションの資料

ソリューション・ブロック図の詳細説明、ファンクション説明、部品表をまとめた資料です。

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関連リンク
  • GR-KAEDE
    GR-KAEDEは32ビットRX64Mを搭載したボードで、カメラを組み合わせることで5~10fpsの画像処理が可能です。Arduinoに互換性のあるライブラリを使用できるため、システムのプロトタイピングに適しています。
  • RX64M
    RX64MグループはRXv2コアを搭載し、最大120MHzで動作可能な32bitマイコンです。最大4MBのプログラムフラッシュ、552KBのワークRAMといった大容量メモリを搭載しています。