概要

説明

近年、車載情報機器は、カーナビゲーションなどの単機能製品から、スマートフォンに代表されるクラウドなどのIT技術との融合や、車載カメラによる周辺監視などの安全に向けた機能の統合がすすみ、運転者に、より一層の安心・安全・快適を提供する統合コクピットに進化しつつあります。
このような統合コクピットにおいては、システムが複雑化・高度化するとともに、車両メーカからの性能・機能・品質の要求も一段と高まっており、ユーザの開発におけるハードウェア・ソフトウェアの開発難易度が上がり、開発費の高騰や、開発工期の長期化、製品品質維持の難しさなどが課題となってきています。

ルネサスは、今後市場の拡大が期待される自動車の統合コクピットに対応するソリューションとして、新製品「R-Car M2」を市場投入するとともに、新製品に対応する廉価な開発環境を新たに投入し、「R-Car コンソーシアム」のパートナーを海外中心に拡大することで、ユーザの製品開発をサポートする選択肢を増やし、開発課題の解消に貢献いたします。

製品仕様

項 目 R-Car M2 仕様
型名 R-Car M2 (R8A7791)
電源電圧 3.3/1.8V(IO)、1.5/1.35V(DDR3)、1.03V(Core)
CPUコア Arm®Cortex®-A15
Dual
SH-4A
最大動作周波数 1.5GHz 780MHz
処理性能 10500DMIPS 1720DMIPS
キャッシュ
メモリ
L1命令キャッシュ: 32Kバイト
L1データキャッシュ: 32Kバイト
L2キャッシュ: 1Mバイト
L1命令キャッシュ: 32Kバイト
L1データキャッシュ: 32Kバイト
外部メモリ
  • DDR専用バスにDDR3-SDRAMを接続可能
  • 最大動作周波数:800MHz
  • データバス幅:32ビット × 2チャネル (6.4GB/s × 2チャネル)
外部拡張
  • FLASH ROMやSRAMを直結可能
  • データバス幅:8/16ビット
  • PCIエクスプレス2.0 (1レーン)
グラフィクス
  • PowerVR SGX544MP2 (3D)
  • ルネサスグラフィックスプロセッサ(2D)
ビデオ機能
  • ビデオ表示インタフェース × 2チャネル(1チャネル:LVDS、1チャネル:RGB888)
  • ビデオ入力インタフェース × 3チャネル
  • ビデオcodecモジュールVCP3 (H.264/AVC、MPEG-2/4、VC-1等)
  • IP変換モジュール
  • JPEGアクセラレータ
  • TS インタフェース × 1チャネル
  • ビデオ画像処理機能 (色変換、画像拡大・縮小、フィルタ処理)
  • 歪み補正モジュール × 1チャネル
オーディオ
機能
  • オーディオDSP
  • サンプリングレート変換 × 10チャネル
  • シリアルサウンドインタフェース × 10チャネル
  • MOST DTCP暗号対応
ストレージ
インタフェース
  • USB 3.0 ホストインタフェース × 1ポート(wPHY)
  • USB 2.0 ホストインタフェース × 2ポート(wPHY)
  • SDホストインタフェース × 3チャネル(SDXC対応、UHS-I対応)
  • マルチメディアカードインタフェース × 1チャネル
  • Serial ATAインタフェース × 2チャネル
車載
インタフェース
  • メディアローカルバス(MLB)インタフェース × 1チャネル(3線/6線選択可能)
  • コントローラエリアネットワーク(CAN)インタフェース × 2チャネル
  • IEBusバスインタフェース
  • GPS ベースバンド処理モジュール(Galileo、GLONASS対応)
暗号処理部
  • 暗号処理エンジン(AES、DES、ハッシュ関数、RSA)
  • SecureRAM
その他周辺機能
  • LBSC内蔵DMAC:3チャネル/SYS-DMAC:30チャネル/RT-DMAC:3チャネル/Audio-DMAC:26チャネル/Audio(周辺)-DMAC:29チャネル
  • 32bitタイマ × 12チャネル
  • PWMタイマ × 7チャネル
  • I2C バスインタフェース × 9チャネル
  • シリアルコミュニケーションインタフェース(SCIF) × 18チャネル
  • クワッド・シリアルペリフェラルインタフェース(QSPI) × 1チャネル(ブート対応)
  • クロック同期シリアルインタフェース(MSIOF) × 3チャネル(SPI/IISサポート)
  • EthernetコントローラAVB対応(IEEE802.1BA、802.1AS、802.1QavおよびIEEE1722対応、GMII/MIIインタフェース、PHYデバイスと接続可能)
  • Ethernetコントローラ (IEEE802.3uに準拠したMAC内蔵、RMIIインタフェース、PHYデバイスと接続可能)
  • 割り込みコントローラ(INTC)
  • クロック発振器(CPG): PLL 内蔵
  • オンチップデバッグ機能
低消費電力
モード
各CPUコア、3D、画像認識ブロックの独立電源停止、 AVS(Adaptive Voltage Scaling)機能、DVFS(Dynamic Voltage and Frequency Scaling)機能 及びDDR-SDRAM 電源バックアップモードをサポート
パッケージ 831 ピンFCBGA (27mm × 27mm)

※CAN(Controller Area Network):独Robert Bosch GmbHが提唱している車載用のネットワーク仕様。
Arm、Cortex,はArm Limitedの登録商標または商標です。
PowerVRはImagination Technologies Limitedの登録商標または商標です。
IEBusはルネサスエレクトロニクス株式会社の日本、米国及びその他の国における登録商標または商標です。
その他本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。

特長

  • 従来の同クラスの製品「R-Car M1」に対しCPU性能を3倍以上、グラフィックスの性能を約6倍、 さらにメモリバス性能を3倍と強化し、従来のハイエンド製品「R-Car H1」をも上回る総合性能を実現
  • 次世代ミッドレンジ車載情報機器向けに機能を集約し、かつシリーズでのソフトウェア互換を実現
  • 入手しやすいソフトウェア開発ボードとソフトウェアパッケージを準備、R-Carシリーズでの開発パートナーを拡大

製品比較

アプリケーション

アプリケーション

  • 車載情報機器
  • 統合コクピット