~一眼レフカメラやハイエンドのコンパクトデジタルスチルカメラ並みの高性能な手振れ補正を実現~
2013年7月11日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役会長兼CEO:作田 久男、以下ルネサス)は、このたび、カメラ付携帯電話機、主にスマートフォン/タブレットPC搭載カメラ向けの光学式手振れ補正(以下、OIS: Optical Image Stabilizer)ドライバIC「RAA305170GBM」を開発し、本日よりサンプル出荷を開始いたします。

 新製品は、(1) スマートフォン向けには世界初(注1)となるセンサー回路/ドライバ回路3系統搭載によるAF(注2)制御等の高性能化の実現、(2) 業界トップクラスの低消費電力駆動CPUコアのRL78とサーボ制御用の専用DSPを組み合わせることにより高性能な手振れ補正の実現、(3) DSPの内蔵によりアクチュエータの動作音やジャイロセンサーの熱ドリフト(注3)に容易に対応できるほか、様々なアクチュエータにも対応可能であること、(4) フラッシュメモリの内蔵により各種ファームウェアやモデルごとのアクチュエータのトリミング値(注4)をフラッシュメモリに保存することができるため、多様なモデル展開への対応が容易、といった特長を有しております。

 新製品を搭載することによりユーザーは、スマートフォンやタブレットPCのカメラ機能をデジタルスチルカメラ並みに高性能化できるため、シャッターチャンスを逃さず高画質な動画・静止画を撮影し、その画像をすぐにWEB上にアップするといった一般消費者のニーズに応えることが可能となります。

 新製品のサンプル価格は1,000円/個となっており、2014年第1四半期から月産1,000万個の量産を計画しております。

 近年、携帯電話市場において、インターネットユーザーの増加、アプリケーション・コンテンツの多様化により、急速にスマートフォンの需要が高まっています。 また、インターネットに掲載される画像は動画が多用され、スマートフォンやタブレットPCに搭載されるカメラにも高画素化、高機能化が望まれるようになりました。

 スマートフォンは、そのフォルムから撮影時に手振れし易く、市場ニーズに応 えるためには手振れ補正機能が必須で、従来より電子式手振れ補正機能が搭載されていますが、近年のセンサーの高画素化により、補正データが増大し、演算処 理能力不足が問題となってきています。一般のデジタルカメラでは、絞りや高速シャッター等の補完機能で手振れを防止することが可能ですが、スマートフォンでは搭載できるカメラのスペースに制限が有り、これに代わる対策が必要となってきています。

 これらの背景から、レンズの位置補正による光学式手振れ補正技術の導入が検討され始めています。ルネサスは、コンパクトデジタルスチルカメラ用の光学式手振 れ補正ドライバICの開発で培ってきた技術をスマートフォン、タブレットPC等に活かすべく適用し、更に同市場向けとして世界初となる3VCM(注5)対応に進化させたOISドライバICを製品化し、市場投入いたします。

 新製品の特長の詳細は以下の通りです。

(1)スマートフォン向けには世界初となるセンサー回路/ドライバ回路3系統を搭載したOISドライバICでAF制御等の高性能化を実現

 センサー回路とドライバ回路を3系統搭載することで、最大3個のアクチュエータをサーボ制御できるため、OISの3VCMサーボ制御やAFのクローズドループ制御に対応可能であり、OISの高性能化やAF制御の高速化に貢献する。

(2)CPUコア(RL78)+サーボ制御用DSPの並列処理により、高性能な手振れ補正を実現

 CPU(RL78)で手振れ量を検知/処理し、DSPで手振れ補正用レンズを駆動する分散処理を行うため、低クロック動作による低消費電力動作とサーボ制御用DSPによる高速サーボで高性能な手振れ補正の実現が可能となっている。

(3)アクチュエータの動作音軽減とジャイロセンサーの熱ドリフトに対応

 DSPを内蔵することによって、アクチュエータ動作時の音響ノイズや、ジャイロセンサーの熱による出力ドリフトに対して、デジタルフィルタを用いた調整が可能。また、様々なアクチュエータにも対応できるため、モジュールチルト(注6)/レンズチルト(注7)/レンズシフト(注8)といった方式にも対応可能。

(4)フラッシュメモリ内蔵により、シャッターチャンスを逃さないカメラの高速起動が可能

 不揮発性であるフラッシュメモリの内蔵により、外部から、ファームウェアのダウンロードが不要となる。これにより、電源を入れた後のCPU起動時間が、フラッシュメモリ非搭載の当社従来品は40msec(ミリ秒)程度であったのに対し、新製品は0.7msecと大幅に短縮され、不意のシャッターチャンスも逃すことなく撮影が可能となる。

 制御用ファームウェア等をフラッシュメモリに格納することにより、セット仕様の変更、制御パラメータの変更に柔軟に対応できる上、量産後のファームウェアの変更にも対応可能。さらに、モデルごとのアクチュエータのトリミング値などはフラッシュメモリに格納できるため、効率的なデータへのアクセスが可能となる。

ルネサスは、この新しい市場に向けて積極的な拡販活動および製品投入を計画しており、この市場におけるシェアを2015年に50%獲得することを計画しております。

 新製品の主な仕様は、別紙をご参照ください。

以 上

(注1)2013年7月11日時点。ルネサス調べ。

(注2)AF(Auto Focus):カメラのピント合わせを自動化する機能の略。

(注3)熱ドリフト:周囲温度により、センサーのゼロ点(基準となる位置)が変わってくる現象。

(注4)トリミング値:アクチュエータ個体間のバラつきや組み込まれる筐体の差異によって必要となる調整値。

(注5)VCM:VCM(Voice coil motor):スピーカーコイルと似た仕組みで動くリニアアクチュエータの一方式略。

(注6)モジュールチルト:カメラモジュール全体をメカ的に傾けて制御する手振れ補正の一方式。光学式歪みが生じないため、高画質、広角度化に優位な方式。

(注7)レンズチルト:カメラモジュール内のレンズをメカ的に傾けて制御する手振れ補正の一方式。モジュールの小型、薄型化に優位な方式。

(注8)レンズシフト:カメラモジュール内のレンズをメカ的にシフトさせる手振れ補正の一方式。モジュールの小型、薄型化に優位な方式。

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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