~評価ボードとプロトコルスタックを含むオールインワン開発キットが、IO-Linkマスタを搭載したアプリケーション開発を簡素化し、システム評価時間を最大6か月短縮~
2018年11月22日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、このたび、産業用ネットワーク機器向けにIO-Linkマスタの実装を容易にする新たな開発キットとして、「RZ/N1S IO-Linkマスタソリューション」を発表しました。このソリューションには、RZ/N1S を搭載したIO-Linkマスタ評価ボードに加え、ドイツのTMG Technologie und Engineering GmbH社(以下TMG TE)が開発したプロトコルスタック(評価版)が含まれています。評価ボードには8つのIO-Linkコネクタが搭載されているため、ユーザはIO-Linkスレーブデバイスを接続してすぐに評価を開始することが可能です。オールインワンの開発キットが、プロトタイプから量産までの開発期間を大幅に短縮します。

 本ソリューションの中核となるルネサスの産業用マイクロプロセッサ「RZ/N1S」は、2つの独立したCPU、R-INエンジン、そして大容量の内蔵SRAMを搭載しています。1つのCPU が8ポートのIO-Linkマスタを制御し、もう一方のCPUとR-INエンジンが産業用イーサネット通信を制御します。これにより、RZ/N1Sは、外付けのマイクロコントローラやDDRなどのメモリを使用することなく、IO-LinkマスタとPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)などの上位レイヤとの産業用イーサネット通信を実現します。また12×12㎜の小型LFBGAパッケージ品のため、コンパクトな製品設計を可能にします。

 ルネサスは、この新ソリューションを使ったデモンストレーションを、2018年11月27日~29日にドイツのニュルンベルクで開催される SPS IPC Drives 2018において、ブース130(ホール10.1)で展示します。

RZ/N1S IO-Linkマスタソリューションの主な特長は次の通りです。

(1)オールインワン開発キットにより、システム評価にかかる期間を最大6か月短縮可能

  • IO-Linkマスタの評価に必要となる開発環境を提供することにより、製品化へのプロセスを加速
  • 評価ボードに搭載された8ポートのIO-Linkをスレーブデバイスと接続し、素早いプロトタイプ開発が可能
  • パートナのTMG TEが提供するプロトコルスタックを使用することで、プロトタイプから量産への移行に必要な時間を短縮

(2)スペースが限られる産業用機器に最適

  • RZ/N1S は、6MBのオンチップSRAMにより、外付けメモリが不要
  • コンパクトな12mm×12mm LFBGAパッケージにより、スペースに制約がある産業用機器に最適

 TMGのマネージングパートナであるKlaus-Peter Willems氏は次のように述べています。「IO-Linkマスタソリューションのリーディングサプライヤーとして、TMGはこの技術がリリースされて以来、一貫してIO-Link機器の開発者を支援してきました。コンパクトなパッケージと、IO-Link用と産業用イーサネット通信用の2つの統合CPUにより、RZ/N1SはIO-Linkマスタアプリケーションにとって理想的なソリューションです。TMGはIO-Link、PROFINET、EtherNet/IP用スタックをRZ/N1Sユーザの皆様にお届けできるのを楽しみにしています。」

 ルネサスのインダストリアルソリューション事業本部 IAソリューション事業部の事業部長、傳田 明は次のように述べています。「25年以上にわたり、ルネサスはインダストリアルオートメーション市場に様々なソリューションを提供し、Industry4.0に取り組むお客様をサポートしてきました。TMGがプロトコルスタックを提供する新たなIO-Linkマスタソリューションによって、お客様はイノベーティブなアプリケーションをさらに迅速かつ容易に製品化することができ、またスマートファクトリでのIO-Linkの拡大につながると確信しています。」

RZ/N1S IO-Linkマスタソリューションの詳細は、
https://www.renesas.com/jp/ja/products/software-tools/boards-and-kits/eval-demo/io-link-master-development-kit.htmlをご覧ください。

IO-Linkの詳細は http://www.io-link.comをご覧ください。

なお、RZ/N1S IO-Linkマスタ開発キットは、現在レンタルでご利用可能です。

以 上

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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