パッケージサイズを従来比約75%削減したPOLコンバータ用IC mini-POL「RAA20770Xシリーズ」を発売

~ウェハレベル・チップサイズ・パッケージ採用により、小型、高効率のPOLコンバータを実現~

2012年11月29日

ルネサス エレクトロニクス株式会社

 

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)はこのたび、PC、産業、OA、民生、ネットワークといった幅広い分野に、ASICなどの大規模ロジック向けのPOL(注1)コンバータ用ICとして、業界トップクラスの小型、高効率化を実現したmini-POL「RAA20770Xシリーズ」を開発しました。出力電流容量と一部機能の異なる6品種を製品化し、2012年12月よりサンプル出荷を開始します。今後、小型POLの製品ラインアップを、順次拡大していきます。

 新製品は、まず大きな改良点として、(1)約75%のパッケージ面積の削減を実現し、システムの小型化に貢献します。また、その他にも(2)バッテリの長寿命化に対応、(3)信頼性の高い電源システム設計が容易、(4)単一電源動作可能、などの特長を有しています。本製品の特長の詳細は本リリースの<特長>をご覧ください。
 新製品は、2013年3月から量産を開始し、同年7月には月産50万個を生産予定です。

<背景>

 半導体製品を稼働させるために不可欠な「電源」について、近年二つの動きがあります。一つは、省エネルギー社会を実現するための「低消費電力化」、もう一つは、マイコンやSoCなど高機能化した半導体製品が要する「電源電圧の多様化」です。
 前者においては、当製品はLSIの通常動作時には90%前後の高効率な電力変換を行い、頻繁に行われる省エネモード移行を高速に行うことで、システム全体の低消費電力動作に寄与し、電源供給の面から省エネルギー社会の実現に貢献いたします。
 後者においては、電源系統が増え、実装面積が増大することが問題になりますが、パッケージサイズを小型化することで実装面積を低減してお客様の要求に対応すべく、チップサイズとほぼ同等の極小パッケージを採用し、当社従来製品比で約75%ものサイズ縮小を実現いたしました。また、このパッケージは内部でワイヤ配線を要しませんので、配線内抵抗が低減され、高効率な電圧変換に寄与しています。

 

<特長>

 新製品「RAA20770Xシリーズ」の主な特長は、以下の通りです。


(1)約75%の面積削減により、システムの小型化に貢献

ウェハレベル・チップサイズ・パッケージ採用により、チップ内配線抵抗やパッケージのワイヤ抵抗が極限まで低減可能となり、小型で大電流供給可能なPOL用デバイスを実現します。例えば、最大定格電流10Aの「RAA207701GBM」では、パッケージサイズ は2.7mm x 3.4mmと非常に小さく、当社従来製品比でパッケージサイズを約75%削減しました。更に、パッケージ表面からチップ接合部までの熱抵抗は約1℃/Wと小さく、放熱板やエアフローとの併用により、高放熱設計が可能です。


(2)バッテリの長寿命化に対応

次世代ノートブックPCでは、タブレットPCや携帯電話と同様にスタンバイ時の情報更新取得機能が要求され、これを実現するためには、スタンバイ時の消費電力を極限まで低減する必要があります。「RAA20770Xシリーズ」は、オンタイム固定制御方式(注2)を採用し、負荷電流が少ない低消費動作モードでは、動作周波数を下げてPOLコンバータの消費電力を低減し、無負荷時は約1.6mW、スタンバイモード時は約0.5uWの低消費電力化を実現します。また、オンタイム固定制御方式のもうひとつの利点として高速応答性があります。例えば、電子機器が省エネモードから通常動作に切り替わった際に、急激な電流増加が発生した場合であっても、動作周波数を上げることで瞬時に対応します。


(3)信頼性の高い電源システム設計が容易

「RAA20770Xシリーズ」はPOLコンバータに要求される、過電流保護、過電圧保護や過熱保護などの各種保護機能を内蔵しており、少ない外付け部品で、安全かつ使い勝手の良い、高信頼性の電源システム設計が可能です。また、使用するアプリケーションに応じて、出力電圧や動作周波数を変更可能です。


(4)単一電源動作可能

「RAA207703GBM」、「RAA207704GBM」、および「RAA207705GBM」の3品種は5V LDO(注3)を内蔵しており、電源コントローラ用の5V電源を自己供給可能なため、外部からの電源供給が不要です。これにより、12Vなどパワー用電源のみの単一電源動作が可能となります。

 

 加えて、入力電圧12Vや5Vから、ASICなどの大規模ロジック用に1Vや3.3Vに降圧変換するPOLコンバータに最適で、2つのパワーMOSFET(注4)とその駆動制御を行う電源コントローラ(ドライバ内蔵コントロールIC)をワンチップに集積しました。最大定格電流10Aの「RAA207701GBM」では、12V入力、3.3V出力の電力変換効率が、10mA時89%、4A時95%、および10A時92%と、小電流領域から大電流領域まで高効率な電力変換を実現し、機器全体の省電力化に貢献します。


 新製品のサンプル価格は出力電流容量によりますが、例えば最大定格電流15Aの「RAA207700GBM」では、1個あたり200円となっております。

新製品の主な仕様は、別紙をご参照ください。

RAA20770Xシリーズの製品情報は、https://www.renesas.com/ja/products/power-management/pmic/pol-converter.htmlをご覧ください。

 

以 上

 

(注1) POLはPoint Of Loadの略で、電力消費する負荷近くに配置する降圧型DC-DCコンバータです。

(注2) オンタイム固定制御方式は、PWM(Pulse Width Modulation)のオンタイムが一定の制御方式で、負荷電流に応じて動作周波数を自動調整します。

(注3) LDOはLow-Drop-Out regulator(低電圧ドロップレギュレータ)の略。

(注4) MOSFETはMetal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor(金属酸化膜半導体 電界効果トランジスタ)の略。

* 本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。