690V等の高電圧用安全規格に対応する、外形14.5mmの長沿面距離を実現したフォトカプラを発売

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~高電圧の産業機器や太陽光発電システム用インバータの高電圧化・小型化に貢献~

2012年05月16日

ルネサス エレクトロニクス株式会社

 

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)はこのたび、産業機器向け商用最大電圧である690V電源のインバータや高電圧1000Vの太陽光発電システムのインバータ用フォトカプラ(注1)として、感電等を防止する絶縁のため、安全規格(IEC61800規格)に準拠する外形14.5mmの長沿面距離(注2)を実現したフォトカプラ「PS9905」を製品化しました。

 

 新製品は、(1)インバータを構成するIGBT(パワー半導体)駆動用のデバイスとしては、 業界初の長沿面距離14.5mmを実現し、絶縁電圧も 7500Vrmsと高いため、690V電源の産業機器でIEC61800規格に準拠した強化絶縁(注3)に適用できます。さらに、(2) IEC61800規格準拠のために、当社従来の沿面距離8mm品を2個必要とされていた部分が新製品1個ですむこと、および新規開発の表面実装8ピン小型パッケージを採用したことにより、実装面積を当社従来比で約30%削減できます。このため、インバータ回路の高電圧化や小型化に貢献できます。

 

 加えて、機器内部通信向け10Mビット/秒の高速フォトカプラとして、14.5mmの長沿面距離を実現した「PS9924」も製品化しました。10mm以上の長沿面距離製品では業界最高クラスの低消費電力を実現しており、高絶縁耐圧が要求される機器の低消費電力化が図れます。

 これら2つの新製品は本日より量産を開始し、2012年末に月産100万個を計画しております。

<背景>

 近年、環境保護のためCO2排出量の削減や、省エネルギー化の取り組みが進むなか、産業用や太陽光発電システムにおけるインバータは、モータ制御の省電力化や電力交換装置の低損失化が図れることから、市場の急成長が続いています。これらのインバータ回路は、IGBTなどのパワーデバイスが搭載される高電圧回路とマイコンなどの制御回路で構成され、この間を電気的に絶縁するためにIGBTなどのパワー半導体を駆動するフォトカプラが必要となります。

 当社では、こうしたインバータのIGBT駆動用フォトカプラとして、既に8mmの沿面距離を小型外形で実現した製品などを量産しておりますが、これらの機器では高電圧化が進んでいます。これは、高電圧化により電流が抑えられ、電力ロスを低減でき、インバータモータ間ケーブルや電源ケーブルでの細径化が可能になる等によるものです。こうした市場ニーズをうけ、今後拡大が期待される690V電源の産業用インバータや1000Vの太陽光発電システムのインバータに対応すべく、ルネサスでは今回、14.5mmの長沿面距離を実現した安全規格準拠のフォトカプラ「PS9905」、「PS9924」を製品化したものです。

 

<特長>

(1) 690V産業用および1000V太陽光発電システム用のインバータ向け安全規格に準拠(「PS9905」)

 産業機器用690V電源の強化絶縁部分にはIEC61800規格上13.8mm以上の沿面距離が必要であり、太陽光発電システム用インバータの基礎絶縁(注4)の1000V対応には10mm以上の沿面距離が要求されます。新製品「「PS9905」」は、パッケージの樹脂充填性を工夫することにより、インバータのIGBT駆動用フォトカプラでは業界で初めて14.5mmの沿面距離を実現しました。また、絶縁電圧も 7500Vrmsを実現しており、機器の高電圧化が図れます。


(2)インバータの小型化に貢献(「PS9905」)

 高電圧のインバータ用に、従来、当社の8mm沿面距離フォトカプラを2個必要としていた部分に、新製品「PS9905」は1個で対応が可能なため、実装面積を約30%低減できます。また、新規開発の表面実装8ピンパッケージ採用により、10mmを超える沿面距離の高速フォトカプラとしては業界最小クラスの実装面積を実現しています。


(3)高速応答を実現した2.5A出力の IGBT駆動用フォトカプラ(「PS9905」)

 ルネサス独自のBiCMOSプロセスを受光ICに採用することで、寄生容量(注5)の低減を行い、回路電流(Icc)を3mA以下に低く抑えたまま、150ns以下の遅延時間(tPHL、tPLH)短縮を実現しました。2.5A出力のフォトカプラでは業界トップクラスの高速応答を実現し、インバータ制御後の出力電流の精度を向上できます。


(4) 低消費電力を実現した10Mビット/秒の高速フォトカプラ(「PS9924」)

 フォトカプラが搭載する受光ICの最適化設計により、10mmを超える沿面距離の長沿面距離フォトカプラとしては大幅な低消費電力化を図り、入力電流(IFHL) 5mA(MAX.)および回路電流(ICC) 5mA(TYP.)を実現しました。また、3.3Vと5Vの2電源に対応しており、動作周囲温度も-40~110℃対応と幅広いため、機器の小型化のための高密度実装に伴う高温環境下の通信にも使用できます。

 

 なお、これら2つの新製品のサンプル価格は各300円/個となっております。

 

 ルネサスは、新製品を今後さらなる市場成長が期待されるインバータの高電圧化および小型化に貢献できるものと位置づけ、積極的な拡販活動を展開致します。そして、さらなる高温・高出力対応の製品を開発すると共に、インバータを構成するマイコンやIGBTを含めたトータルソリューションの提供を推進して参ります。

新製品の主な仕様は別紙をご参照下さい。

 

以 上

 

(注1)フォトカプラは、入力側に電気信号を光へ変換する発光素子(LED)と、出力側に光を電気信号へ変換する受光素子をひとつのパッケージに封入しており、信号の伝達を光で行うため入力側と出力側が電気的には完全に絶縁される仕組みをもつ光結合素子です。

(注2)フォトカプラが接続する高電圧側のパッケージ端子から低電圧側のパッケージ端子までの距離を、パッケージ樹脂に沿って測った最短距離。耐電圧が高くなるに従ってこの距離は長くなる。

(注3)基礎絶縁より強化された絶縁。基礎絶縁に対し、2倍の沿面距離が要求される。

(注4)感電を防ぐための基礎的な絶縁。

(注5)チップの内部で物理的な構造により発生する意図しない容量成分。浮遊容量とも呼ばれる。

 

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。

 


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