~633MHzの高速動作等により通信ネットワークシステムの高速化に貢献~
2011年5月6日

 Cypress Semiconductor Corp.(以下サイプレス)とルネサス エレクトロニクス株式会社(以下ルネサス)が加入する通信ネットワーク向け高速SRAM(記憶保持動作が不要な随時書き込み読み出しメモリ)「Quad Data Rate (QDR) SRAM」の仕様策定組織「QDR Consortium(コンソーシアム)」は、このたび、業界最高速のQDR SRAM「QDRII+Xtreme SRAM」の仕様を策定しました。

 本SRAMは、633MHzまでの高速動作を実現します。既存のQDRII+SRAMより約18%高速化すると共に、ピン配置や外形、基本動作仕様が互換のため、ネットワークスイッチやルーター、アグリゲーション・プラットフォーム(注) の製造メーカーはシステムボード設計を変更せずに動作周波数を高速化できます。

 「QDR II+Xtreme SRAM」は、×18ないし×36ワード構成でそれぞれ4バースト動作もしくは2バースト動作を備えています。4バースト動作品はQDR SRAMで最高速となる633MHz動作を実現し、毎秒633M(Million)ランダムトランザクションレート(random transaction rate)を達成します。そして、2バースト動作品では450MHz動作で毎秒900Mランダムトランザクションレート(同一周波数時4バースト動作品の 2倍)を実現します。なお、ランダムトランザクションレートは、1秒間にメモリにランダムにアクセスできる回数として定義しており、通信機器の通信速度の増加に対応するために重要となるメモリ性能です。

 Cypress Semiconductor Corp. Memory Divisionの Executive Vice President、Dana Nazarianは次のように述べています「QDRII+Xtreme SRAMは、システムを大幅に変更することなくパフォーマンスを大いに向上できるため、ネットワークの高速化に対応し続けるネットワーク機器ベンダーに非常に魅力的な製品です。QDRコンソーシアムは、ネットワーク機器業界の増え続けるメモリ性能向上への要望をサポートすべく、QDR SRAMの新シリーズを積極的に定義しています。

 ルネサス エレクトロニクス株式会社SoC事業本部産業ネットワーク事業部の担当部長、五藤 浩幸は次のように述べています「高速SRAMは、通信ネットワーク機器における高性能メモリソリューションを実現するための重要なオプションの一つです。 このたび、SRAMの最先端である『QDRII+Xtreme SRAM』仕様を紹介でき、嬉しく思います」

(注)アグリゲーション・プラットフォーム:複数のネットワークを統合する装置。

サンプル出荷時期

36Mビットおよび72MビットQDRII+Xtreme SRAMの最初のサンプルは、サイプレスより2011年中頃に主要顧客向けに出荷される見込みです。

QDRコンソーシアムについて

QDR コンソーシアムは、高性能通信ネットワークシステム向けSRAM仕様を定義するために1999年に結成されました。QDR コンソーシアム・メンバーはネットワーク用SRAMであるQDRファミリの仕様を共同開発します。そして、本仕様に添った製品の設計、開発、生産は、各社独自の計画に基づいて実施しています。

*サイプレスおよびサイプレス社のロゴはCypress Semiconductor Corp.の登録商標です。QDRおよびQuad Data Rate SRAMは、サイプレスとルネサス エレクトロニクスで開発したQDR製品群で構成しています。 その他の商標はすべて、それぞれの所有企業に属します。

以 上


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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