Armコア採用ルネサスマイクロコンピュータがデビュー

ソリューション: 8 of 20

電撃デビュー!新世代の組み込みシステムを実現する、マイクロコンピュータ「RZ」ファミリ

社会のスマート化が加速し、高い「HMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)」機能が要求される車載や民生、産業機器等向けに、ルネサスがArm®製CPU「Cortex™-A9」を採用したマイクロコンピュータ「RZ」ファミリを発表した。ルネサスとArmの高い技術力が一体化した高性能と、充実した開発支援が業界で話題を呼んでいる。第一弾製品「RZ/A」シリーズ、その実力に迫る。

制御とIT の融合した新世代の組み込みシステム、開発課題にルネサスが出した「解」

私たちの生活を快適で安全に、そして環境に優しいスマート社会の実現に向けて、制御とITの融合が社会のあらゆる場面で進行中だ。多くの機器やシステムの高機能化が加速し、高い操作性やネットワークへの接続が求められている。そのため、組み込みシステムには、従来の高精度で省電力な制御機能に加えて、見やすい表示で高い操作性を実現する「HMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)」機能と、スムーズなネットワーク接続を実現する「Connectivity(接続性)」機能の拡充が望まれている。制御とITの融合に対応する、組み込みシステムの新世代が始まった。

システム開発者の視点で、この新世代の組み込みシステムを考えてみよう。通常、組み込みシステム開発では、システムの用途にあわせた性能と機能を搭載しているマイコンを選択して設計する。しかし、制御とITの融合に対応する新世代の組み込みシステムでは、より大容量なプログラムやデータを格納し、より高速なデータ処理能力が求められる。このようなハイエンドなシステム設計においては、必要な性能を有する組み込みプロセッサを選択し、メモリや周辺機能を外付け回路で設計することが多い。この場合は、外付け回路の設計を行うために、必然的に、開発期間の短縮やコスト削減、小型化という重要な開発課題に直面する。

制御とITの融合が進み、多くのお客様が新世代の組み込みシステムの設計に苦慮している。その状況を打破するためにルネサスが出した「解」が、(1)高演算処理能力を有する高性能プロセッサに、(2)大容量メモリを内蔵し、(3)ルネサスマイコンの豊富な実績と経験を継承する、マイクロコンピュータ「RZ」ファミリの開発だ(図1)。

図1:「RZ」ファミリでは、従来は高性能な組み込みプロセッサと、外付けのメモリや周辺機能で実現していたハイエンド システムの設計をワンチップで実現する。

図1:「RZ」ファミリでは、従来は高性能な組み込みプロセッサと、外付けのメモリや周辺機能で実現していたハイエンドシステムの設計をワンチップで実現する。

高性能と高機能で、新世代の組み込みシステム開発を実現

制御とITの融合に対応した新世代の組み込みシステムを実現する、ルネサスのマイクロコンピュータ「RZ」ファミリは、2013年6月20日にその第一弾製品である「RZ/A」シリーズが発表された。「RZ/A」シリーズは、10Mバイトメモリ内蔵の「RZ/A1H」と5Mバイトメモリ内蔵の「RZ/A1M」、3Mバイトメモリ内蔵の「RZ/A1L」が各種パッケージとの組み合わせで合計15品種が「RZ/A1x」グループとして展開される。「RZ/A1H」と「RZ/A1L」はすでにサンプル出荷が開始され、「RZ/A1M」は2013年第4四半期からのサンプル出荷が予定されている。2014年度からの量産体制も着々と準備が進んでいる。発表直後から業界の話題になっている、「RZ/A」シリーズの驚くべき性能をご紹介しよう。

(1)高演算処理能力

高性能なCPU「Arm® Cortex™-A9」を、コア数にして8億個を超える豊富なArmコアインテグレーション実績を誇るルネサスが、独自の最先端プロセスで製造する。高速なメモリアクセスやデータ処理を実現するため、最大動作周波数は400MHzまで高めた。その実力は、従来の「SuperH」プロセッサに比べ周波数比で約1.5倍に相当する(図2)。

図2:「SuperH」と「RZ/A」シリーズの周波数を比較した。約1.5倍を実現している。

図2:「SuperH」と「RZ/A」シリーズの周波数を比較した。約1.5倍を実現している。

(2)大容量メモリ内蔵

最大10Mバイトの大容量メモリの内蔵により、大規模プログラムやデータの格納を実現した。外付けメモリ無しで32ビットフルカラーWXGAサイズ2画面分の画像情報が記録(フレームバッファとして使用)可能だ。同時に、内蔵メモリによる高速アクセスという利点も享受する。

外付けメモリが不要のため、メモリ自体のコストや実装面積、消費電力、ノイズ対策の面で大きなメリットを生む。また、PC用途向けの汎用メモリにありがちな、供給や価格の不安定さや規格変更に悩まされる必要はない。

(3)ルネサスマイコンの豊富な実績と経験を継承

マイクロコンピュータ「RZ」ファミリは、「SuperH」ファミリの実績と経験を継承して、お客様のニーズに応える機能を組み合わせてラインアップを順次拡大する予定だ。

「RZ/A」シリーズでは、グラフィック機能に高速描写を可能にするOpenVG1.1対応の2Dグラフィックアクセラレータを搭載、またVideoIn/Out機能も搭載してさまざまな表示機能に対応する。通信機能ではUSB2.0(Host/Function対応)機能を搭載してハードディスクやUSBメモリとの高速通信を可能に、SD/MMCインタフェース搭載でSDカードに対応、10/100イーサネットMACによるネットワーク接続をサポートする(図3)。

図3:充実した機能を搭載して、表示システムの機能向上 とコストダウンを実現する「RZ/A」シリーズ。

図3:充実した機能を搭載して、表示システムの機能向上 とコストダウンを実現する「RZ/A」シリーズ。

高次元の「HMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)」が求められる新世代の組み込みシステムの構築に、これほど心強いマイコンは類を見ない。まさに、お客様待望の一品と言えるだろう。

ルネサスとArmの「エコステム」が一丸となり、お客様のシステム開発を最大限に支援する

「Arm Cortex-A9」の開発ツールベンダ様の多くが、「SuperH」ファミリをサポートしており、その連携は継続し、一層の強化を図る。ルネサスとArmの二つの充実したエコシステムを掛け合わせることによって生まれる高価値な開発サポートは、日本のみならずグローバルで、お客様のシステム開発を最大限に支援する。早速、「RZ/A」シリーズのリリースに合わせて、多くのパートナ様がサポートを表明し、開発ツールの準備を進めている。今後、次々にリリースされる開発環境やOS、ミドルウェア、ボード製品等に注目しよう。

図4:すでに提供が始まった「RZ/A1H(Arm Cortex-A9、400MHz動作、324ピンBGA版)」を搭載した「GENMAI CPUボード」、「RZ/A1H」の機能や性能の評価が可能だ。さらに、周辺機能を評価するオプションボードも準備されている。

図4:すでに提供が始まった「RZ/A1H(Arm Cortex-A9、400MHz動作、324ピンBGA版)」を搭載した「GENMAI CPUボード」、「RZ/A1H」の機能や性能の評価が可能だ。さらに、周辺機能を評価するオプションボードも準備されている。

また、ルネサスとArmの長年に渡る協力関係も、さらに一歩進んでいる。両社の高い技術力を持ち寄り、「RZ/A」シリーズ用スターターキット「DS-5™ Starter Kit for RZ/A1」を開発した。「DS-5」はArm純正の開発ツールで、コンパイラとデバッガ、ロイヤリティフリーのリアルタイムOS「CMSIS-RTOS RTX」(*1)などが含まれている。この「DS-5」を「RZ/A」シリーズの初期評価向けに最適化して、必要な機能を無償で1年間利用可能とした。

(*1)リアルタイムOS「CMSIS-RTOS RTX」:「Arm Cortex」ファミリのローエンドシリーズにあたる「Cortex-M」用のリアルタイムOS。今回、このリアルタイムOS「CMSIS-RTOS RTX」を、ルネサスとArmが共同でハイエンドシリーズの「Cortex-A」へ実装した。業界初の試みだ。これにより、「Cortex-M」シリーズでのソフトウェア資産を継承した「RZ/A」シリーズへの移行が可能になり、高機能なシステム開発にお客様が費やす開発期間とコストを大きく削減する。

制御とITの融合を進める新世代の組み込みシステム開発に向けたルネサスの「解」、マイクロコンピュータ「RZ」ファミリに死角はない。万全の準備が整った第一弾製品「RZ/A」シリーズに注目、ぜひ評価してみよう。

** Arm、Cortex、DS-5はArm Limitedの登録商標または商標です。その他、本記事中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。