ハイパフォーマンスRTOS:Express Logic

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Time To Market の短縮と開発コスト削減を具現化する

Express Logic

リアルタイムなレスポンスを要求する組み込みアプリケーションの開発に最適と評判の高いリアルタイムOS「ThreadX®」を提供するExpress Logic社へのインタビュー。お相手は同社のVP, Marketingを担当するJohn Carbone氏です。ルネサスの高性能マイクロプロセッサ「RZ/A1H」向け開発プラットフォームについてもお聞ききしました。

John Carbone

John Carbone

VP, Marketing

Express Logic, Inc

組み込みエンジニア絶賛のソフトウェアソリューションを提供

— 本シリーズでは、ルネサスと共にお客様の開発を支えているパートナ企業の皆さまをご紹介しています。まず、御社の概要からおうかがいしましょう。

Carbone氏: Express Logicは1966年に設立された、米国カリフォルニア州サンディエゴに本拠を置く非上場企業です。組み込みアプリケーション開発を支える、高品質なソフトウェアソリューションを提供することを企業理念に掲げ、組み込み製品開発の期間短縮とコスト削減に取り組むお客様を支えています。

— 組み込みアプリケーション開発向けのソフトウェアをご提供されているのですね。どのようなソフトウェアでしょうか?

Carbone氏: さまざまな組み込みアプリケーションが、共通して利用できる基本ソフトウェアはリアルタイムOS(RTOS)と呼ばれ、組み込み機器の心臓部であるマイコンを制御します。アプリケーションは組み込み機器の機能を実現し、RTOSはアプリケーションソにスケジューリングや割り込み、リソース管理機能などを提供します。

組み込み機器を開発する企業の多くは、社内のプログラミングリソースで独自のリアルタイムOSを設計、開発するよりも、購入を選択されることが多くなりました。これらの組み込み機器開発企業が当社のお客様です。高性能でTime to Marketを短縮し、開発・生産コストの削減を実現するソフトウェアソリューションを提供しています。

現在の組み込みアプリケーションの多くは、リアルタイムOSに加えて、ネットワークやファイルシステム、グラフィックス、USBなどの機能が必須です。当社では、これらの機能をリアルタイムOSと一体化させることで、お客様に使いやすい開発環境をご提供しています。

組み込みアプリケーションの開発では、テキストエディターやコンパイラ、リンケージエディタ、デバッガなどのプログラム作成や保守のための開発ツールが必要です。これらのツールをパッケージ化し、GUIを搭載して操作性を高めたツールが統合開発環境(IDE:Integrated Development Environment)と呼ばれています。多くのツールベンダ様からIDEが提供されていますが、リアルタイムOSにThreadX®を採用していれば、用意されている豊富な関連ツール、または対応するオープンソースツールを活用することが可能です。

— ThreadXはエンジニアから高い評価を得ていると聞いています。

Carbone氏: ThreadXは、Cライブラリとして実装されます。最終的に利用する機能だけがアプリケーションとリンクするため、CISCプロセッサー用の最小フットプリントはわずか約2KBと、驚くほどコンパクトです。さらに、他のリアルタイムOSを上回る、高速で高いパフォーマンスが自慢です。業界から高い評価を得ており、医療用や民生、産業用途向けの20億を超える組み込み機器に搭載され、世界で最も広く使用されているRTOSの一つと認められています。

図1:高性能でコンパクトなThreadX (200MHz動作時)

図1:高性能でコンパクトなThreadX (200MHz動作時)

— RTOSを中核として、さまざまなソフトウェアをご提供されていますね。個々の製品をご紹介していただけますか。

Carbone氏: それでは簡単にお話をいたしましょう。

  • ThreadX® – 小サイズ、高速、ロイヤルティフリーのRTOSです。組み込みアプリケーションでは、高い効率性と小サイズであることが重要で、また低コストであることも求められます。
  • TraceX® - ホストベースのリアルタイムプログラム解析ツールです。リアルタイムにシステムイベントをグラフィカルに表示し、システムの動作を開発者に提示、深い洞察を可能にします。
  • NetX™ Duo – Duo-IPv4とIPv6の両方に対応したデュアルスタック製品です。お客様のニーズに合わせて独自開発しました。高速ネットワーク処理と小サイズを求める組み込み機器に最適です。
  • FileX® – ThreadXと統合された高速なMS-DOS互換ファイルシステムです。高速アクセス、MS-DOS対応、小サイズが求められる組み込みアプリケーションで能力を発揮します。
  • USBX – USB 1.0、1.1、2.0およびOTG(On-the-Go)のホストとデバイスをサポートします。コンパクトなサイズで、ThreadXと完全に統合され、フルソースコードフォームで提供します。
  • GUIX - 組み込みアプリケーション用の操作が容易なGUI開発ツールキットおよびフレームワークです。GUIX Studio™は、開発者がパソコン上で画面のプロトタイプ設計をするためのプログラムが必要ないツールで、完全なWSIWYG画面設計環境が提供され、簡単にUI画面が作成できます。GUIXライブラリと共に動作するCコードを自動的に生成します。
  • Certification Pack - 航空産業や医療、産業用途の高レベルな安全基準を満たす認証マテリアルおよびコードがすぐに使えるパッケージです。
  • TUV Certification - ThreadXは、TUV-Saarによって、IEC 61508およびIEC 62304、SIL 4、安全クラスCに認証されています。

ルネサスマイコンのユーザに大きなアドバンテージを提供する

— それでは御社の組み込みソフトウェアの強みをおうかがいしましょう。ルネサスマイコンのユーザにとって、御社のソフトウェアを採用することでどのようなメリットが生まれますか?

Carbone氏: Express Logicの開発ツールは、ThreadXを核にグラフィックス用ミドルウェアやネットワーク、USB、ファイルシステム、リアルタイムのシステムイベント分析ツールなどを一体化して構成し、開発を統合的にサポートします。お客様には高レベルの技術サポートはもちろん、高品質で認証済みのすぐに使えるソフトウェアをご提供します。

Time to Marketの短縮、アプリケーションの高性能化、開発・生産コストの削減など、大きなアドバンテージを供与することをお約束します。

— 現在の組み込み機器開発において、市場での製品価値を左右するTime To Marketの短縮は最も重要な課題の一つと言えるでしょう。

Carbone氏: 組み込み機器の開発プロジェクトに当社のThreadXを使用した場合、他のソリューションと比べて、予定通りの期日で完了、または予定よりも前倒しで完了する可能性が高いことが業界の調査結果で示されました。これは、Time to Marketの短縮を語る、確かな証と言えるでしょう。

— どのような調査だったのでしょうか、お聞かせいただけますか?

Carbone氏: 米国の調査会社、Embedded Market Forecasters (EMF)社では、毎年、組み込み機器を開発している企業に対して調査を行っています。その調査結果(2012年度版)によると、ThreadXを採用した開発では、実に70%のプロジェクトが予定通り、または開発期間を前倒ししたのです。これは他の四つのリアルタイムOSと比べて第一位でした。ちなみに第二位のリアルタイムOSでは60%、第三位が57%、第四位が53%、第五位が49%でした。

さらに、この調査結果は、組み込み開発プロジェクトのROI分析を行うための他の調査データと組み合わせて分析されました。その結果、ThreadXが他を圧倒する低い開発コストを実現することを証明しました。その理由は、ThreadXが製品開発のすべてのステージでコストを削減できるからです。

簡単に説明しましょう。まず、開発工程では、ThreadXはプロジェクトの迅速な完了を可能にします、そして、ThreadXは100%ロイヤルティフリーのため、製造工程でのコストも削減します。さらに20億を超える製品への豊富な搭載実績からスケールメリットが生まれ、サポートコストを低減します。採用実績の多さは、高い信頼性の裏付けであるとも言えるでしょう。

— ThreadXは開発コストの削減にも大きく貢献するのですね。ThreadXが「ロイヤリティフリー」ということも理解いたしました。それでは、御社のビジネスモデルをお聞かせいただけますか?

Carbone氏: Express Logicは、フルソースコード開発および生産許認可を有する当社のIPに対してライセンスを供与します。ライセンスは、使用可能なソフトウェア製品、ソフトウェア製品を使用するマイコン、開発場所、ユーザ数を規定します。また、開発および生産を行う最終製品も規定します。ライセンスにかかる費用は一回限りで、生産対象となる最終製品数に基づいて算出します。フルソースコードおよびロイヤリティフリーな生産権を含むライセンスで、US$12,500がスタート価格です。技術サポートは、ライセンス費用の20%で利用可能です(年額)。

RZ/A1Hの開発を加速する

— 御社のソフトウェアソリューションが、ルネサスマイコンのユーザにとって価値が高いことがよくわかりました。ルネサスと協力して進めているプロジェクトがあると聞いています。ご紹介いただけますか?

Carbone氏: ルネサスさんと共同で、X-Ware Platform™ (図2)と呼ばれる、ルネサスさんの高性能マイクロプロセッサ「RZ/A1H」 向けのソフトウェア開発プラットフォームを開発しました。このプラットフォームでは、下記のソフトウェアをモジュール化した総合パッケージを提供しています。

  • RTOS
  • Pv4またはIPv6におけるTCP/IPネットワーキング
  • USB ホスト/デバイス/OTG
  • ファイルシステム
  • グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)開発
  • グラフィカル・リアルタイム・イベントトレース

これらのモジュールは、必要なデバイスドライバと統合して開発ボードに実装されます。

図2:X-Ware Platform<sup>™</sup>の構造イメージ

図2:X-Ware Platformの構造イメージ

— 大変興味深い開発プラットフォームですね。高性能な「RZ/A1H」による開発が手軽に行えそうです。今後も、御社とルネサスが協力して提供するソリューションに期待します。

RZ/A1Hグループ

Express Logic  
設立 : 1996年
本社 : Express Logic, Inc
11423 West Bernardo Court
San Diego, CA. 92127
URL : http://www.expresslogic.com/
お問合せ : info@expresslogic.com

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