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電源ラインで音声通信が可能な「PLC(電力線通信)音声通信ソリューション」を開発

~音声通信とデータ通信を同一電力網に統合し、省配線による低コスト化に貢献~

2017年04月11日

  • ルネサス エレクトロニクス株式会社

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、既存の電力線網に、データ通信だけでなく新たに音声通信の混在を可能にする「PLC(Power Line Communication)音声通信ソリューション」を開発しました。ビル内の省配線化が可能になり、館内放送やセキュリティシステムの構築、施工後のメンテナンスのコストを低減します。本ソリューションは、PLCの送受信を処理するLSI「R9A06G037」(量産中)と、音声コーデックを処理するマイクロコントローラ「RX651」(量産中)を組み合わせ、(1)同一電力網でデータ通信と混在しても、安定した音声通信を実現できるよう、音声送信時の優先制御により音の途切れ(遅延揺らぎ)をほぼゼロに抑制する技術を開発しました。また、(2)通信の中継なしで1km以上の長配線も可能であり、今回、(3)システム開発を短縮できるようソフトウェアとリファレンスボードを試作しました。今後、これらをソリューションとして製品化し、2017年9月頃より順次、提供していく予定です。

 本ソリューションにより、既存の施設への音声付きセキュリティシステムなどを低コストで追加できるようになり、新規施設で各種センサ通信や音声通信の配線を電力線網一つにまとめた場合、配線数を約60%、施工コストを約30~40%削減できます。さらに、施工後の配線が電力線のみとなるため、メンテナンスコストの削減にも貢献します。

 今回、このPLC音声通信ソリューションは、本年4月11日(火)にザ・プリンス パークタワー東京(東京都港区)で開催する当社最大のプライベート総合展「Renesas DevCon Japan 2017」に出展します。「BIG IDEAS FOR EVERY SPACE」をテーマに、ルネサスのスマートインフラストラクチャーコーナーの中で紹介します。

 

 現在、ビルなどの商用施設内には、空調、照明、各種センサ、館内放送、セキュリティなどの様々な管理システムがあります。これらのシステムは、従来、それぞれ専用線を必要としていましたが、省配線化を図るため、昨今は電源供給用として配線済みの直流(DC:Direct Current)電力線を活用する傾向にあります。しかし、電力線に音声通信を混在させる場合、音声通信の遅延の揺らぎにより、音声品質が劣化するという課題がありました。そこで今回、ルネサスは、音声送信時の優先制御等を行うことで、機器制御通信と音声通信が混在する状況でも、音声通信の遅延の揺らぎをほぼゼロに抑制し、安定した音声品質を提供します。また、音声優先制御をルネサスの低帯域PLC技術と組み合わせて最適化したことにより、中継なしで1km以上の長配線が可能になりました。本ソリューションにより、データ通信に加えて、音声通信も既存の電力線網に統合することができ、ビル内の管理システムの配線を減らし、メンテナンスにかかる費用削減にも貢献します。

 

 新ソリューションの主な特長は以下の通りです。

 

(1)音声送信時の優先制御により、遅延の揺らぎを抑制し、安定した音声品質を提供

PLC通信では複数のデバイスが、電力線を共通の通信媒体として使用するため、衝突回避の機能が必要となる。そのため、データ送信前に、他の信号用のデバイスが通信していないかどうかの確認(キャリアセンス)を行い、他のデバイスが通信していないことを確認した後、送信する。本機能は、無線通信で行われる衝突回避と同様の仕組みである。今回のソリューションにおいては、この衝突回避において、音声通信を行うデバイスに対して優先的に送信権を与える等の通信プロトコルの最適化を行うことで、混在するデータ通信への影響を抑え、通信遅延の揺らぎを最小化し、途切れのない安定した音声通信が可能。

 

(2)中継なしで1km以上の長距離伝送が可能のため、施設内を広範囲にカバー

一般に電力線通信では、通信距離を伸ばすために、通信経路内に中継(ホッピング)機能を持っている。この機能は、中継処理で通信距離を稼げる一方、通信揺らぎが増加する要因ともなっている。今回の開発では、量産実績のある狭帯域PLC用LSI「R9A06G037」を利用して、DC電力線1km以上、128ノード以上の音声通信が可能であることを確認。これにより、中継不要の長距離PLC通信を提供可能。

 

PLC用LSI「R9A06G037」には、広ダイナミックレンジのアナログフロントエンド回路、送受信の可変アンプおよびADC/DACを内蔵し、PHY層を処理するDSPは動作周波数の高速化およびPLC処理向けの専用命令を追加。これにより、最小受信感度の向上及び電力線上で発生するノイズに対する耐性を高め、長距離通信も可能としています。

 

(3)システム開発の短期化、容易化を実現するソフトウェアスタックを提供予定

音声コーデックは、使用されるシステムにより、要求される品質等が異なるため、本ソリョーションでは、音声コーデック実装に対して、柔軟なソフトウェアスタックをルネサスのマイコンRX651用に構築。このソフトウェアスタックにより、ユーザが選択する音声コーデックを容易に実装することが可能となり、システム開発期間を大幅に削減可能。

 

 ルネサスは、PLC通信分野に向けて、これまでのスマートメータ向けの開発環境に加えて、今回開発した「PLC音声ソリューション」を含め、高速化および優先制御を強化したソフトウェアスタックおよびリファレンスボード、評価ツール等を開発環境として整備していきます。

 

 ルネサスは、通信ソリューションとして、BLE(Bluetooth® Low Energy)やWi-SUNの短距離無線通信ソリューションの強化にも取り組んでおり、今後とも通信分野において、社会のニーズに対し、最適なソリューションを拡充してまいります。

 

以 上

 

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