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自動運転の主要センサであるレーダ分野にルネサスが本格参入

~DSPを内蔵した高性能マイコン「RH850/V1R」がより正確かつセーフティなレーダの実現を可能に~

2016年12月27日

  • ルネサス エレクトロニクス株式会社

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、このたび、車載用32ビットマイコン「RH850ファミリ」の新シリーズとして、将来の先進運転支援システム(Advanced Driver Assistance Systems、以下ADAS)や自動運転車の主要センサである車載レーダ用途に最適な「RH850/V1Rシリーズ」の展開を開始することにいたしました。新シリーズの第一弾製品は「RH850/V1R-M」の名称で、特に中長距離レーダ向けに提供してまいります。

 

 自動運転の実現において、センシングは走行経路の精度を左右する重要な技術です。現在、クルマのセンシングにはカメラ、LIDAR、超音波センサなどそれぞれの特長を生かしたセンサが活用されています。特にレーダセンサは他のセンサに比べて雨天や霧などの悪天候および昼夜など外部環境の制約を受けにくいため、ADAS、特に自動ブレーキ、アダプティブ・クルーズ・コントロールなどを実現する上での中核技術となっております。さらに将来の自動運転においては車両周囲の認識精度を上げるため、レーダセンサに対して、レンジ分解能、認識対象物の分離、速度測定の正確さを増すことが課題とされ、その結果、受信アンテナ数の増加や信号処理の高性能化が必要となっています。

 新製品「RH850/V1R-M」はこれらの市場ニーズに基づき、 (1) 高性能DSP(注1)の搭載によりユーザの差異化技術となるレーダ信号処理性能の向上に貢献、(2) ルネサスの低消費電力技術によりレーダセンサの小型化やコスト低減に貢献、(3) 最新のアルゴリズム処理に対応する動作周波数320MHz(メガヘルツ)の高速処理が可能なデュアルコア高性能CPU、2MB(メガバイト)の高速フラッシュメモリと内蔵RAMならびにレーダ信号入力用高速シリアルインタフェースを搭載、といった特長を有しています。

 

 新製品のサンプル出荷およびDSPのライブラリ提供は2017年下半期、新製品の量産は2018年11月より開始する計画です。またルネサスは、C/C++コンパイラ、デバッガ、シミュレーションモデルや詳細なパフォーマンスプロファイリングツールなどのDSP用開発環境も準備しています。

 

 ルネサスは、ADASおよび自動運転の実現に必要な機能をセンシング~判断~ヒューマンマシンインタフェース~制御の4つの機能に分類し、それぞれにおいてマイコンやSoC(System on Chip)をはじめ各種半導体ソリューションを提案しております。そしてこのたび、V2Xとカメラのセンシングソリューションに加え、新たにレーダセンシングソリューションとして、RH850/V1R-Mを開発いたしました。

 

 新製品の特長の詳細は以下のとおりです。

 

(1) 高性能DSPの搭載により、レーダ信号の処理性能が向上するため、センシングの高精度化が可能

 新製品は、アクセラレータとしてDSPを搭載。DSPを使用することでユーザは効率的にレーダの生データから対象物の認識を行うことができ、CPUはセーフティ関連処理やトラッキング処理に専念できる。高性能DSPはFFT(注2)のようなレーダに必須のアルゴリズム、ビームフォーミング、窓関数、チャネルキャリビュレーション、ピーク検出を高速かつ低消費電力で実行可能。DSPは柔軟にプログラミング可能で、ルネサスはアルゴリズムを開発するユーザを支援するために車載レーダセンサ向けDSP用Mathライブラリを特別に用意する。

 

(2) ルネサスの低消費電力技術によりレーダセンサの小型化やコスト低減に貢献

 新製品は、車載用マイコン向けとしては現時点で当社のみが量産実績を有する40nm(ナノは10億分の1)プロセスを採用した混載フラッシュメモリ技術を採用し、顧客要求の書き換え回数や業界最速のアクセススピードと高信頼性を実現している。

 また新製品のプロセスは車載業界で必要とされる最高温度であるジャンクション温度150度の耐性を有する。混載フラッシュメモリ技術はリアルタイム性に優れ、低消費電力も伴ってユーザに基板面積の削減によるシステムコスト低減が可能。

 

(3) 周波数320MHzとなる2つの高性能CPU、2MBの高速フラッシュメモリと内蔵RAMならびにレーダ信号用インタフェースを搭載

 新製品は、CPUの動作周波数が320MHzで、ルネサスの車載用マイコン「RH850ファミリ」の中で最も高性能なG3MHコアを2個搭載している。G3MHは、RISC(reduced instruction set computer:縮小命令セットコンピュータ)アーキテクチャを採用し、2本の7段パイプラインを内蔵するスーパースカラ構造のCPUコアで、2つの異なる命令を同時に実行可能。G3MHはそれぞれ3.2DMIPS/MHz(Dhrystone Million Per Second、注3)の性能を有する。

 また新製品は、2MBの業界最速の高速フラッシュメモリに加え、近年のレーダ信号処理の進化により増加する受信アンテナ数とデータ量に対応するため、レーダ信号入力用高速シリアルインタフェースとしてMIPI-CSI2(3unit×4lane)と、2MBもの大容量RAMを内蔵。これらにより、FFT、デジタルビームフォーミング、CFAR(注4)、ピーク検出など特有のレーダ用3次元データの計算を行うことが可能。

 

 ルネサスは新製品を、ADASや自動運転の実現に向けた中核製品のひとつと位置づけ、今後も積極的に車載レーダセンサ向け製品を展開する計画です。これにより、安心・安全・快適なクルマ社会の実現に貢献してまいります。

 新製品の主な仕様は 別紙(117KB)をご参照ください。

以 上

 

  • (注1) 

    DSPとは、デジタル信号処理に頻出する積和演算などの演算の実行に特化したプロセッサ。

  • (注2) 

    FFT(Fast Fourier Transform)とは、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform)を高速に実行するためのアルゴリズム。

  • (注3) 

    DMIPS(Dhrystone Million Per Second)とは、Dhrystoneベンチマークプログラムを実行して算出した、コンピュータの性能指標のひとつ。

  • (注4) 

    CFAR(Constant false alarm rate)とは、バックグラウンドノイズがある中で物標を検出するレーダセンサのアルゴリズム。


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