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電池レスで、Bluetoothや無線LANなどに対応した携帯機器に データ送信できる新・近距離無線技術を開発

~ 環境電波から回収した微弱な電力でデータ送信が可能 ~

2011年06月14日

  • ルネサス エレクトロニクス株式会社

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰)はこのたび、センサからのいろいろな情報を超小型端末(以下、センサノード)から携帯機器へ送信する際、微弱な電力でBluetooth(注1)や無線LANなどの一般的な無線通信規格対応機器にデータ送信できる新しい近距離無線技術(1m弱の通信距離)を開発しました。

 通常Bluetoothや無線LANなどを使ってデータ送信を行う際、センサノードの送信部では十数mWもの電力を消費しますが、本近距離無線技術では数μW程度ですむため、約3桁の電力削減が可能となります。このため、環境電波(注2)から回収した微弱な電力での送信が可能となり、センサノードの電池レス化を実現できます。

 

 近年、情報・通信の発展により、あらゆるモノが、ヒトの意識や行動を先回りして、ヒトをサポートする情報を発信してくれるというイノベーションが現実になりつつあります。たとえば、人の健康状態をモニタして異常を知らせるようなヘルスケア・システムや、ポスターのそばにいる人にリアルタイムに広告情報をスマートフォンに提供するようなデジタル・サイネージ(注3)など、モノが情報を発信する新しいサービスが益々普及していくと期待されます。これらの新しいサービスの拡大を支えるのがセンサノード技術の進化であると考えています。

 しかし、現在一般的に使われているBluetoothや無線LANなどの無線通信機器を使ってセンサノードから送信される温度や湿度、応力(注4)などの物理情報、あるいは個体情報(ID)や計数情報等を読み取るには、センサノードにもBluetoothや無線LANの送信機を内蔵する必要があり、センサノードのピーク消費電力が十数mWと大きくなります。このため、センサノードに電池を搭載する必要が生じ、電池を取り替えるという定期メンテナンスが必要となったり、センサノードが大きくなり、センサノードを設置する場所を制限してしまうなどの課題がありました。

 

 このような背景から、今回、電池レスで動作しながらも、一般的な無線通信機器でセンサノードを構築できる、新しい近距離無線技術を開発しました。また、電池レスを実現するための新しいエネルギ・ハーベスト技術(注5)を開発しました。

このたび開発した技術は、

  • ① 

    Bluetoothや無線LANなどの無線通信機器の送信機と受信機との間でやり取りされている電波の中の信号とノイズの比(S/N比)を変えることで、センサノードから送信されたセンサ情報をBluetoothや無線LANなどの受信機で読み取ることができる新しい近距離無線技術

  • ② 

    環境電波の中で強いエネルギーを持つ電波を自動探索し、電気エネルギーに変換するエネルギ・ハーベスト技術

からなります。

 

 今回、性能評価チップとアンテナを搭載した評価ボードを試作し、本技術による送信時の電力を測定した結果、わずか数μW程度の電力で温度や湿度などの物理情報が送信可能なことを実証しました。 この技術を応用すると、Bluetoothや無線LANなどを使ったスマートフォンなどの携帯機器にソフトウェアをインストールするだけで、1m弱の距離にある電池レスのセンサノードから携帯機器に情報を知らせることが可能となります。

 また、より身近な応用として、たとえば、電池レスの電卓をノートパソコンに近づけるだけで計算結果をパソコンにコピー&ペーストしたり、絆創膏などに温度センサと共に内蔵することによりスマートフォンなどとの連携で実現する体温モニタなど、があります。

 

 当社は、今回の技術が、モノの情報発信による新しいイノベーションの実現、さらには、モノの動作頻度等の制御によるスマートシティの実現に必要な基盤技術であると考え、今後も研究開発を加速してまいります。

 なお、当社は今回の成果を、6月15日から17日まで、京都市で開催される学会「VLSI回路シンポジウム(2011 Symposium on VLSI Circuits)」にて、16日に発表します。

 

以 上

 

  • (注1) 

    Bluetooth:携帯情報機器などの機器間接続に使われる短距離無線通信技術。パソコンのマウスやキーボードの無線接続などに使われている。

  • (注2) 

    環境電波:無線LAN、携帯電話など、比較的エネルギー強度の高い身の回りにある無線電波。

  • (注3) 

    デジタル・サイネージ:情報・通信技術を活用することで、その場の状況や看板を見る人に合わせて、より役に立つ情報を表示する広告媒体。ここでは、携帯情報端末に表示される広告も含む。

  • (注4) 

    応力:物体に外部から力が加わった際に、物体内部に生じる力の大きさや作用方向。

  • (注5) 

    エネルギ・ハーベスト技術:身の回りにある熱、振動、電波などのエネルギーを電気エネルギーに変換する環境型の発電技術。

  • * 

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