~産業用MPUやFPGA、ならびにアプリケーション・プロセッサやAIプロセッサ向けに、最大出力電流20A、ピーク効率94%を、業界最小クラスとなる70mm²の実装面積で実現~
2018年4月25日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO:呉 文精、以下ルネサス)は、このたび、産業用マイクロプロセッサ(MPU)やFPGA、ならびにスマートフォンやタブレットのアプリケーション・プロセッサ用に、最高レベルの電力効率を最小クラスの面積で実現するプログラマブル・パワーマネジメントIC(PMIC)、3製品「ISL91302B」、「ISL91301A」、「ISL91301B」を発表しました。本製品は、産業用MPU、FPGA、人工知能(AI)プロセッサなどへの電源として使用できます。さらに、ソリッドステート・ドライブ(SSD)、光トランシーバ、ならびに幅広い民生機器、産業用機器、ネットワーク機器など複数の電源入力を必要とするアプリケーションにも最適です。

 「ISL91302B」は、1出力または2出力のマルチフェーズPMICです。最大出力電流20A、ピーク効率94%を達成する電源ICとして、最小クラスの実装面積7mm x 10mm(70mm2)は、従来と比較して(注1)40%以上の縮小となります。 ISL91302Bの参考価格は、2.551mm x 3.670mm、WLCSPパッケージの場合、1,000個一括購入時に3.90米ドル/個(税別)です。

 「ISL91301A」は3出力のマルチフェーズPMIC、「ISL91301B」は4出力のマルチフェーズPMICとなっており、両製品とも、最大出力電流は16A、ピーク効率は94%です。ISL91301AとISL91301Bの参考価格は、2.551mm x 2.870mm、42ピンWLCSPパッケージの場合、1,000個一括購入時に3.12米ドル/個(税別)です。

 3製品ともにルネサスの「R5」制御方式を採用しており、負荷過渡中の高速応答特性、位相補償の最適化、最大6MHzの高周波スイッチングを実現しています。また、2mm角/1mm厚の小型インダクタ、小型コンデンサ、ならびに数個の受動部品のみで回路を構成することができます。
 さらに、各製品ともに出力電圧設定用の抵抗および位相補償用の外付け部品を必要としません。また、すべての負荷領域において最適な効率を達成するために、出力電流に応じてアクティブなフェーズ数を変化させます。それにより低消費電流と優れた軽負荷時効率を実現し、さらに高精度のレギュレーション、高速応答特性の特徴も併せ持つことで、高機能で大量の電力を消費するアプリケーションにおいてバッテリ駆動時間を大幅に延長することに貢献します。

 ルネサスのコアパワーソリューション事業部の事業部長であるMark Downingは次のように述べています。「スマートフォンやタブレットのアプリケーション・プロセッサは、バッテリ駆動時間を最大限に活用するため、小型でありながら、より大きな出力電流、より高い効率を必要とします。ISL91302BおよびISL91301A/B のPMICにより、プリント基板のレイアウトという大きな課題が解決され、出力電流に応じたダイナミックな動作により、バッテリ駆動時間を延長することができるようになります。」

(1)ISL91302B PMICの主な特長

  • 1出力または2出力に対して、3つの構成を出荷時に選択可能:
    • 2つの出力から各10Aを供給するデュアルフェーズ(2+2)構成
    • 1つ目の出力から15Aを、2つ目の出力から5Aを供給するトリプルフェーズ(3+1)構成
    • 1つの出力から20Aをサポートするクワッドフェーズ(4+0)構成
  • 省スペースな実装面積:4フェーズ設計で7mm x 10mm
  • 入力電圧範囲は2.5V~5.5V
  • I2CまたはSPI経由で0.3V~2Vの出力電圧をプログラム可能
  • 「R5」制御のスムーズなフェーズ数の増減により、出力電流のバランシングを行い、電力効率を最適化
  • 不連続導通モード(DCM)時、消費電流は75μA
  • 各出力にそれぞれ任意の出力電圧の設定が可能
  • リモート電圧センシングにより、-10℃~85℃で±0.7%の電圧精度
  • 内蔵されたテレメンタリーアナログ/デジタルコンバータがフェーズ電流、出力電流、入力/出力電圧、およびチップ温度を感知し、動作中のPMICの診断が可能
  • ソフトスタートと、電圧低下、過電圧、過電流、過熱、および短絡に対する保護機能

 ISL91302Bの詳細は、 www.intersil.com/products/isl91302Bをご覧ください。

(2)ISL91301AおよびISL91301B PMICの主な特長

  • 2つの構成を出荷時に選択可能:
    • ISL91301A:デュアルフェーズ、3つの出力を2+1+1フェーズとして設定
    • ISL91301B:シングルフェーズ、4つの出力を1+1+1+1フェーズとして設定
  • 入力電圧範囲2.8V~5.5Vで、1フェーズあたり4A
  • 入力電圧範囲2.5V~5.5Vで、1フェーズあたり3A
  • 省スペースな実装面積:4フェーズ設計で7mm x 10mm
  • I2CまたはSPI経由で0.3V~2Vの出力電圧をプログラム可能
  • 不連続導通モード(DCM)時、消費電流は62μA
  • 各出力にそれぞれ任意の出力電圧の設定が可能
  • リモート電圧センシングにより、-10℃~85℃で±0.7%の電圧精度
  • ソフトスタートと、電圧低下、過電圧、過電流、過熱、および短絡に対する保護機能

 ISL91301Aの詳細はwww.intersil.com/products/isl91301Aを、ISL91301Bの詳細はwww.intersil.com/products/isl91301Bをご覧ください。

以 上

(注1)公表されている他社データに基づく、本日時点での当社調べ

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご承知ください。

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