画像
Masayuki Hanada
花田雅行
Principal Product Marketing Specialist
掲載: 2022年8月2日

近年、市場において100MHz以上の汎用マイコンでは、電源電圧が3V電源対応の製品が多くなり、低電圧化が進んでおります。しかし、アプリケーションによっては、低電圧のマイコンで問題ないのですが、家電、産業製品などの高電圧を使用するお客様からは、5V電源対応マイコン製品化のご要望がとても多いです。しかし実際には、100MHz以上のRX汎用制御マイコンは、現在3V電源対応の製品ラインナップのみで、5V電源対応への技術、コスト面の障壁が高くなかなか製品化できなかったのですが、今回、新製品のRX660で5V電源対応ができるようになり、やっとみなさまのご要望にお応えできることになりました。

3V MCUの場合、インバータ制御などの高電圧スイッチングノイズの影響により、ADコンバータへの入力信号にノイズの影響を受けてAD変換誤差が大きくなります。それにより、ソフトウェア演算で精度誤差が大きくなり、制御の効率、応答性などが悪くなります。ハードウェアでも、電圧レベルの誤検出が増加したりし、システム動作の不具合につながります。そのため、お客様自身でノイズの影響を低減させるために外部部品(インダクタ、コンデンサなど)を配置し対策しています。

以前、ある家電のお客様からは、マイコンのコストよりノイズ対策部品コストの方が高いと言われました。3V MCUの単体コストは5V MCUに比べてデバイス単体のコストは安いかもしれませんがノイズ対策部品など含めトータルコストで考えてみるとどうでしょうか?

みなさんのシステムを5V MCUへ変更することでコストダウンができるかもしれません。

もちろん、RX660の5V電源対応以外にもさまざまな特長がありますのでご心配なく。

  1. 外付け発振回路が必要ない、高精度内蔵発振回路搭載(精度=±1.0%以下)
  2. 有効端子数が最大134本(144pin)。従来比約10%以上の大幅本数増加。
  3. 実績の高いインバータ制御機能(高機能16bitタイマ、高速12bitADコンバータ)
  4. RXシリーズ初搭載CAN-FD、CAN2.0で課題であった大容量、高速通信可能に。
  5. RX汎用品と周辺機能、ピン配置コンパチのため置き換えが容易。

アプリケーションによっては、ノイズの影響などを懸念して、システム制御用、インバータ制御用のマイコンをそれぞれ用意しているケースもあるのではないでしょうか?例えばUPSなど電源システムが挙げられます。その一例として、ノイズ影響の耐性が高いRX660の特長を活かして、ルネサスの電力変換回路用の各種アナログ、パワーマネジメントデバイスを組み合わせて新たなウィニング・コンビネーション「常時インバータ給電方式UPS」を用意しております。従来2chip構成していたシステム制御+電力変換部(インバータ、降圧レギュレータ、バッテリ用昇圧レギュレータ、PFC)をRX660の1チップで制御するシンプルな設計にでき、豊富な通信機能を使用して、Bluetooth(DA14531)と接続することによる遠隔モニタリングも可能です。詳しい内容は、こちらをご覧ください。

いままで、ノイズに悩まされているみなさん、RX660を使用すれば今までの悩みを解決できるはずです。まずは、お手にとって試してください。すぐに評価できる開発ボードも用意しておりますので。

また、製品の詳細はショート動画にてご紹介しておりますので、こちらもぜひご覧ください。さらに、RX660の詳しい情報はこちらをご覧ください。

この記事をシェアする

高性能かつノイズ耐性に優れる5V電源対応した32bit MCU RX660

RX660のコンセプト、特長を短時間でご紹介した動画です。RX660は、ノイズ耐性に優れる5V電源に対応したハイエンド汎用マイコンでは初の5V対応製品です。さらに汎用IOピンの有効端子数を従来の5V対応製品RX210から約10%増加し、RXシリーズで初めてCANFDを搭載しております。