3年計画でCERNの大量データをより効率的・効果的に分析するために IDTの低レイテンシRapidIOインターコネクト・テクノロジーを利用

2015年4月6日

 IDT®社(Integrated Device Technology, Inc.、本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、NASDAQ:IDTI)は本日、欧州原子核研究機構(CERN)と3年間の共同研究に入ったことを発表しました。世界最先端の基礎物理学研究におけるデータ取得・分析を改善するために、IDTのRapidIOテクノロジーが利用されます。

世界最大かつ最も強力な素粒子加速器であるCERNの大型ハドロン衝突型加速器(LHC)は、実験によって大量のデータを収集します。IDTとCERNのチームはIDTのテクノロジーを利用して、こうしたデータ収集のほか、実験シミュレーション用クラスとCERNのデータセンターでのデータ初期分析と再構築の作業の質とスピードを改善します。

 LHCは、検出器1台につき毎秒何百万回もの衝突を発生させ、毎秒約1ペタバイトのデータを生成します。CERNが宇宙に関する基礎的な疑問の答えを見つける上で、このデータは欠かせないものです。RapidIOテクノロジーは、コンピュータのプロセッサのクラスタ間を低レイテンシで接続し、データの移動を劇的にスピードアップします。4G基地局で広く使われるIDT社の低レイテンシRapidIO製品によって、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)とデータセンターにおける、リアルタイムのデータ分析とデータ管理を実現することも可能です。

 CERNオープンラボ・パートナーシップの第5フェーズの任務の一環として、LHCのいくつかの実験では、カスタムビルトのハードウェアとバックプレーンから、プロセッサの大規模クラスタ間を低レイテンシで相互接続する完全にプログラム可能なヘテロジニアスコンピューティングへと移行する可能性を模索しています。共同研究の第1段階ではIDTの現行のRapidIO 20 Gbpsインターコネクト製品を使用し、今後CERNでの研究の進捗に合わせてRapidIO 10xN 40 Gbpsテクノロジーにアップグレードします。

 「今回のCERNとの共同研究は、プログラム可能で必要不可欠かつリアルタイムなデータ分析を実現するためのものです」と、IDT社のグローバルオペレーション担当バイスプレジデント兼CTOのSailesh Chittipeddiは述べています。「複数のプロセッサにまたがってジョブを処理するため、プロセッサ間の相互接続は超低レイテンシでなければならず、世界中に配備されている4G無線基地局で既に利用されている当社のテクノロジーは、CERNのリアルタイム相互接続のニーズに最適です。」

 現在は、CERNが集めるリアルタイムデータの量を考慮し、カスタムビルトのASICハードウェアで実装が行われています。ハードウェアに実装されているアルゴリズムを使用してデータを抽出し、その中からわずか1%を選び出してさらに分析にかけます。

 「データの取得、選択、分析を改善する際のボトルネックは、リアルタイムの相互接続を向上させることです」と、CERNオープンラボ責任者のAlberto Di Meglio氏は述べています。「我々はIDT社と協力してRapidIOベースのコンピューティングアーキテクチャを開発することで、CERNのリアルタイムのデータフィルタリングに関する問題の解決を後押しできるはずです。LHCから、より意味のある事象を選択・利用することで、我々のデータセンターの監視・運用における分析を効率化できるでしょう。」

 今回の共同研究は、HPCクラスタとデータセンターでの展開に適した業界標準のITフォームファクターソリューションをベースにしています。エンジニアは、IDTが共同議長を務めるオープンコンピュートプロジェクト(Open Compute Project)のハイパフォーマンスコンピューティング・イニシアチブ向けに開発されたRapidIO.orgの仕様をベースとしたヘテロジニアスサーバを使用できます。

 「私たちがHPCイニシアチブを立ち上げたのは、業界で最も作業負荷の高い演算処理を中心に扱うエンドユーザの独自のニーズに対応するためです」と、オープンコンピュートプロジェクトCEOのCorey Bell氏は述べています。「CERNが低レイテンシのコンピューティングで扱う作業負荷は有数の厳しさで、今回の共同研究はRapidIOの利点を実際に確認する絶好の機会です。」

 今回の共同研究で使用するコンピューティングプラットフォームは、市販のRapidIO対応1Uヘテロジニアスサーバをベースとしています。このサーバは、業界標準のサーバ、GPU、FPGA、低電力64ビットSoCのほか、プロドライブテクノロジーズ社のトップ・オブ・ラックRapidIOスイッチに対応しています。

CERNオープンラボについて

 3年間の第5フェーズに入ったばかりのCERNオープンラボは、CERNと主要ICT企業との唯一の官民パートナーシップです。そのミッションは、世界中のLHCコミュニティが使用する革新的で新しいソリューションの開発を加速させることです。CERNオープンラボはCERNと協力し、最新鋭の情報技術とサービスを試験・検証するための枠組みを企業に提供します。

CERNについて

 欧州原子核研究機構(CERN)は素粒子物理学で世界をリードする研究所です。本部はジュネーブにあります。CERNでは科学者とエンジニアが宇宙の基本構造を調べています。世界最大かつ最も複雑な科学機器を使用して、物質の基本的構成要素である素粒子を研究しています。

IDT社について

 IDT 社(Integrated Device Technology, Inc.)は、顧客の用途に最適化したシステムレベルのソリューションを開発します。タイミング、シリアル・スイッチ、インタフェース、アナログやシステムに関する専門技術で市場のリーダーシップをとっています。これら技術を利用して、通信、コンピュータ、民生用電子機器の分野で、特定の用途に完全に最適化したミックスド・シグナル半導体のソリューションを提供しています。本社は、米国カリフォルニア州サンノゼ。世界中に設計、製造、販売の拠点があります。IDT社の株式はNASDAQ Global Select Stock Market®市場で取引されています。証券コードは「IDTI」。IDTに関する詳しい情報はwww.idt.comをご覧ください。FacebookLinkedInTwitterYouTubeGoogle+ でもお調べいただけます。

  IDTおよびIDTのロゴは、Integrated Device Technology Inc.の商標または登録商標です。製品やサービスを特定するために使用されるその他のブランド名、製品名、マークは、各所有者の商標または登録商標の場合があります。

《本プレスリリースに関するお問合せ先》

日本アイ・ディー・ティー(IDT)合同会社

〒105-0012 東京都港区芝大門1-9-9 野村不動産芝大門ビル6F

マーケティング コミュニケーションズ 本田 真由美

TEL: 03-6453-3039 FAX: 03-6453-3011 E-mail: [email protected]

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