2022年3月10日

 当社は、2022年3月30日開催予定の第20回定時株主総会において、今後バーチャルオンリー型の株主総会の開催を可能にするために、「第1号議案 定款一部変更の件(場所の定めのない株主総会の導入)」(以下「本議案」といいます。)を付議する予定です。
 当社は、現在の新型コロナウイルス感染症の流行や情報技術の発展等の社会状況の変化を踏まえ、バーチャルオンリー型株主総会が、株主の皆様の権利を平等に保護し、全ての株主の皆様との有意義な対話を促進するために有効なツールとなると考えております。
 つきましては、株主の皆様の理解に資するため、当社が考えるバーチャルオンリー型株主総会のメリットおよび株主の皆様の権利を最大限保護するための対応について、ご説明いたします。
本議案の内容や当社のご提案理由等につきましては、当社の「第20期定時株主総会招集ご通知」の株主総会参考書類に記載のとおりでありますが、下記をご一読いただき、本議案に対するご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
 


1. バーチャルオンリー型株主総会のメリット
 当社は、グローバル企業として、コーポレートガバナンスの強化に積極的に取り組んでおり、中でも、株主総会については、株主の皆様との対話を促進できる貴重な機会として捉えています。このような観点から、バーチャルオンリー型株主総会には、以下のような大きなメリットがあると考えています。

(1) 全ての株主の皆様への平等な参加の機会の確保および情報技術を活用した対話の促進
 現在、当社の株主の皆様は、全世界および日本全国に存在しています。そのような中、従来どおり特定の物理的な会場において株主総会を開催する場合、株主総会に出席可能な株主の皆様は、地理的・時間的な制約等により、大幅に限定されることとなります。
 物理的な会場とオンラインでの出席を併用するハイブリッド型株主総会では、物理的な会場における出席が難しい株主の皆様も出席が可能となります。しかしながら、物理的な会場とオンラインでのコミュニケーションが同時進行的に行われることとなるため、本来出席方法の差異を問わず、全ての株主の皆様に平等に質問等の機会が与えられるべきであるにもかかわらず、それぞれの出席方法に応じて株主の皆様を完全に平等に取り扱うことに技術的な困難が伴うことは、多くの皆様がご認識のことと思います。
 当社としては、高度に発展した情報技術を最大限活用して、効果的なバーチャルオンリー型株主総会の開催方法を追究することにより、全ての株主の皆様に対し、その所在や時間的余裕の有無等を問わず、平等な形で株主総会に参加できる機会を提供することが可能となり、かつ、株主総会における株主の皆様の権利行使および対話を従来以上に促進することができると考えております。

(2) 感染症の流行や災害等の影響を受けない効果的な株主総会の開催
 昨今の新型コロナウイルス感染症の流行の中で、物理的な会場で株主総会を開催することは、出席する株主や関係者に感染リスクが生じるだけでなく、会場スタッフや役員等に集団感染が発生した場合には株主総会の準備や運営に支障が生じる可能性があります。現在、当社は、ハイブリッド型で開催する第20回定時株主総会に向けて、万全の準備を行っていますが、オミクロン株の爆発的な拡大の中で、このようなリスクを痛感しております。
 また、現在の流行が収束した後も、新たな感染症の流行や、人々の移動を困難にする大規模災害等が生じるリスクは、常に存在しています。
 バーチャルオンリー型の株主総会の開催を可能とし、その中で株主の皆様との効果的な意見交換が可能となる体制を予め整えておくことで、感染症の流行や災害等の影響下においても、平時と同様に、株主の皆様の平等な参加の機会を最大限確保した形で、安全かつ円滑な株主総会を開催することが常に可能となります。

2. 株主の皆様の権利を最大限保護するための対応
 バーチャルオンリー型株主総会は、物理的な会場を使用した従来型の株主総会とは大きく異なるものであるため、当社は、バーチャルオンリー型株主総会を開催する場合、株主の皆様の従来の権利が阻害されないことを保障し、かつ、従来以上の保護を実現するための対応を実施する予定です。

(1) 出席および権利行使のための手続の明確化
 株主の皆様の株主総会出席のための手順や、質問・動議・議決権行使の方法その他の必要な事項を明確にし、株主総会招集通知や当社ウェブサイトにおいて株主の皆様にお知らせします。

(2) ITインフラおよびサポート体制の整備
 効果的なバーチャルオンリー型株主総会の運営のため、万全のITインフラを確保するとともに、株主総会へのオンラインでの接続に関するサポート体制を整備することで、株主の皆様の株主総会への出席および権利行使を最大限サポートします。

(3) 株主の皆様の動議・質問等に関する権利の確保
 当社は、バーチャルオンリー型株主総会において、株主の皆様の動議の権利を保障します。また、質問については、従来の株主総会と同等以上の対応を実施し、かつ、質問への回答を株主総会後に当社ウェブサイト等で開示する等の対応も検討いたします。

(4) バーチャルオンリー型株主総会の恣意的な利用の排除および採用理由の開示
 当社は、上述のとおり、株主の皆様の権利を最大限保障し、その行使を促進するために、バーチャルオンリー型株主総会の開催を可能とすることを意図しており、これを株主の皆様の権利の制限等のため恣意的に用いることは一切ありません。
 株主総会の開催にあたっては、当社や株主の皆様を取り巻く状況や、株主総会で上程する議案の内容、株主の皆様のご意見等を踏まえ、独立社外取締役が過半数を占める取締役会において、株主の皆様の権利の保障の観点から、バーチャルオンリー型株主総会の採否を都度慎重に検討し、その理由を開示します。
 例えば、株主提案等により、物理的な会場での開催に対する株主の皆様の要請が高まっている場合等に、敢えてこれを封じる目的でバーチャルオンリー型株主総会を利用することは想定しておりません。

(5) 日本における法令上の株主の権利の保障および日本政府による確認の取得
 日本では、米国等と異なり、バーチャルオンリー型株主総会における株主の権利の確保に特に配慮する観点から、法令上、バーチャルオンリー型株主総会の導入の条件として、「株主の利益の確保に配慮しつつ産業競争力を強化することに資する場合」として、経済産業大臣および法務大臣による確認を受けることが要求されており、当社は既にこの確認を受けています。
 また、会社法上、株主の動議提出権や質問権が保障されており、これを害することは、株主総会決議の取消事由となり得ます。当社は、上述のとおり、株主の皆様の動議や質問に関する権利を最大限保障する所存です。

 以上のとおり、当社は、近時の社会状況の変化を反映して導入された新たな制度であるバーチャルオンリー型株主総会が、株主の皆様の権利を保護し、その行使を促進するために有用なツールとなり得るとの確信に基づき、株主の皆様の権利を従来以上に保障するために最大限の対応を実施することを前提として、バーチャルオンリー型株主総会の導入に関する本議案を株主の皆様にお諮りするものです。

 なお、本議案については、議決権行使助言会社であるInstitutional Shareholder Services Inc.が、以下の理由から、反対推奨する旨のレポートを発行しているとの情報を受けています。
① バーチャルオンリー型株主総会は、株主が質問を行えない(より悪い場合は経営陣にとって都合の悪い質問が恣意的に処理される)等により、株主に対する経営陣の説明責任を回避させ意義のある意見交換を阻害されるおそれがあること
② 本議案は、バーチャルオンリー型株主総会の開催場面を特定しておらず、現在の新型コロナウイルス感染症の流行が収束した後も、株主の意向を確認することなくバーチャルオンリー型株主総会の開催を可能とするものであること

 しかしながら、上記①については、当社は、株主の皆様の動議や質問等の権利を最大限保障し、有意義な意見交換を促進するためにバーチャルオンリー型株主総会を導入するものであり、同社が懸念するような恣意的な運用が認められないことは、日本の法令上も明確であり、当社は株主の権利の保護に関する経済産業大臣および法務大臣による確認も受けていることから該当しません。

 また、上記②は、上記①の当社のバーチャルオンリー型株主総会に関する誤った認識に基づき、開催場面の限定の必要性を唱えるものであり、議論の前提自体を欠いています。当社は、株主の権利の保護を大前提とした上で、当社や株主の皆様を取り巻く状況や株主総会で上程する議案の内容、株主の皆様のご意見等を踏まえ、バーチャルオンリー型株主総会の採否を都度慎重に検討するものであり、判断理由を開示することも予定しています。

 したがって、同社の反対推奨は、当社の提案内容および日本の法制度を正確に反映していないものと考えております。
 株主の皆様におかれましては、上記をご参照頂き、本議案に対するご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

                                                                              以上