全社的な改善活動の推進でCSを追求

当社グループは、お客様からいただいたご意見・ご要望が、お客様満足度(CS:Customer Satisfaction)の向上を図るための貴重な経営資源であると考えています。これらの経営資源をCS向上につなげるため全社で改善に取り組み、その結果を経営層に報告するとともに、当社グループ内に公開して全従業員で情報を共有しています。

画像:CS推進マネジメント概念図

CS推進マネジメント概念図

CSとコミュニケーションを強化

当社グループは、毎年3月11日を「安心と信頼の日」と定め、お客様満足度調査を実施することでお客様からの信頼を定期的に検証し、製品・サービス・事業活動などの改善に活用しています。

2019年3月に実施したお客様満足度調査では、国内外の168社のお客様から280件の回答をいただきました。この結果を全社で共有し、継続的なCS改善を進めていきます。

画像:お客様による当社グループの評価

お客様による当社グループの評価

また、当社グループの製品を安全、適切かつ有効にご利用いただくため、技術的な使い方をサポートするお問い合わせ窓口を設置し、当社製品に関する各種技術情報などを提供しています。

お問い合わせ窓口では、今後も迅速かつ的確な対応に努めていきます。

品質向上

当社グループは、トップマネジメントがコミットメントした品質方針に基づき、年度ごとに具体的な品質目標を定め、その達成に向けて、開発・設計、製造、およびサポートの各プロセスで、総合品質の継続的な改善に取り組んでいます。各部門では、半期ごとに品質向上に向けた重点活動を設定し、これを達成するための計画を策定し実行します。この実行計画は、半期単位でその達成度の確認と見直しを行う改善サイクルで運用しています。

品質保証システム

開発・設計から製造・納入にいたる全社レベルの品質保証システムの構築と実践により、お客様に一層ご満足いただける高品質・高信頼性の製品とサービスを提供しています。多くの自動車関連メーカーのお客様に製品を納入していることから、自動車業界のセクター規格に沿ったツールを使用し、お客様固有のご要求への対応も含め継続的な品質向上に取り組んでいます。さらに、品質マネジメントシステムとして、国際規格である「ISO 9001」はグループ全体で、「IATF 16949」は、製造拠点とその支援サイトで認証を取得しています。

品質保証システム

品質保証システム

不具合製品調査と是正処置

出荷した製品で不具合が生じた場合、品質保証部門が中心となって、その原因追究と是正処置を実施します。

品質保証部門では、お客様での不具合状況を把握するとともに、各種の測定・解析装置を用いて不具合品の故障解析をします。

これらの調査で判明した結果に基づいて、設計・製造部門など関連部門が協議し、必要な是正処置を取るとともに、お客様に調査結果を報告します。

画像:不具合品調査フロー

不具合品調査フロー

CSR調達活動

調達活動を通じたCSRへの取り組み

当社グループは、CSR推進に関してお取引先様に取り組んでいただきたい項目として、「環境保全」「公正取引・企業倫理」「品質・安全性」「情報セキュリティ」「安全衛生」「人権・労働」に関する社会的責任を掲げ、当社グループと連携した積極的な取り組みをお願いしています。当社グループのCSRに対する考え方をご理解いただき、共通の視点に立った活動を推進していただくため、「サプライチェーン向けCSR推進ガイドブック」を作成し、関係するお取引先様約1,200社にこれを配布しています。

グリーン調達の推進

当社グループの製品に使用する原材料などの調達に当たっては、環境保全を積極的に推進しているお取引先様から環境負荷が少なく有害物質を含まない商品を優先的に購入する、グリーン調達を実施しています。当社グループの要求事項は「グリーン調達ガイドライン」としてお取引先様に開示するとともに、RoHS指令などの法規制対応や購入品の含有物質調査なども、お取引先様のご理解・ご協力のもと推進しています。また、業務用品・IT機器などの物品調達においても、その物品の環境負荷情報に基づき、環境に配慮した商品を積極的かつ優先的に選定するグリーン購買を実施しています。

紛争鉱物問題への取り組み

アフリカのコンゴ民主共和国およびその周辺国において、一部の鉱物が武装勢力の資金源となり、人権侵害や紛争を引き起こしていると言われています。当社グループでもこれらの紛争鉱物問題を重大な課題として認識し、サプライチェーンから紛争鉱物を可能な限り除外するよう努めています。お取引先様に対しては、業界共通の調査様式を使用して当社グループサプライチェーンにおける製錬所を特定する調査を行い、その調査結果を当社グループのお客様に対しても開示することで、サプライチェーンを通じた責任ある鉱物調達の実現に努めています。

お取引先様とのBCM*の取り組み

お取引先様が万一自然災害や事故などで被災された場合に、被災情報を速やかに当社グループ緊急連絡窓口へご連絡いただくようお願いしています。また、お客様のご心配を早急に払拭していただくために、入手した情報は平日、休日にかかわらず、国内外の当社グループ関係者へ迅速に展開・共有し、速やかな対策に結び付ける仕組みを構築しています。

*BCM = Business Continuity Management (事業継続管理)

画像:調達問題発生時のBCM対応(発生~体制発足の流れ)

調達問題発生時のBCM対応(発生~体制発足の流れ)

調達方針

1. 平等な競争機会の提供

  • 調達に関する情報を適時・適切に発信し、購買取引を望まれる国内外の全ての企業様に平等に競争の機会を提供します。

2. 公正なお取引先様の評価・選定

  • お取引先様の評価・選定は、経営の信頼性、調達品等の価格・品質・納期・先進的な技術力はもとよりCSR・BCMの視点等を加味し、総合的に行います。
  • ※CSR (Corporate Social Responsibility) :企業の社会的責任
  • ※BCM (Business Continuity Management) :事業継続マネジメント

3. 相互の信頼

  • お取引先様とのコミュニケーションを大切にし、永く共に信頼、発展できる関係づくりに努力します。

4. 情報の管理・保護

  • 資材取引を通じて知り得た情報の価値を認識し、適正に管理します。

5. ビジネスの持続性と継続性

  • リスク発生時における事業継続の重要性を踏まえ、実効性のあるBCMの構築をサプライチェーン全体として推進します。
  • (詳細)当社がBCMを構築し、災害等のリスク発生時においても事業を継続するためには、サプライチェーンを構成するお取引先様のBCMが非常に重要です。
  • 従って当社は、すべてのお取引先様に、供給製品に関するリスク・マネジメント計画を提示していただきます。特に、リスクの評価・分析と対策計画、復旧方法と代替供給手段による事業継続計画が重要なポイントとなります。
  • 当社は、これらを指標として、お取引先様のBCMと実効性を評価します。また、このBCMの評価は、お取引先様の評価の一部となります。

6. 品質マネジメント

  • お客様に提供する製品の欠陥ゼロを目指し、購入仕様を満たすことのできる品質マネジメントシステムを備えたお取引先様から調達を行います。
  • (詳細)当社がお客様に提供する製品の品質を維持・向上するためには、サプライチェーンを構成するお取引先様の品質マネジメントシステムが非常に重要です。
  • 従って当社は、すべてのお取引先様に、当社の購入仕様を満たすことのできる品質マネジメントシステムの構築を要請します。当社の欠陥ゼロに向けたアプローチを支援するため、供給製品の品質をコントロールし、品質の維持・改善を行う仕組みを確立することが重要となります。
  • 当社は、これらを指標として、お取引先様の品質マネジメントシステムと実行状況を評価します。また、この評価は、当社のお取引先様としての必須要件として、お取引先様の評価の一部となります。

人材育成

当社グループがグローバル市場において継続的に成長・発展し、広く社会に貢献していくためには、従業員一人ひとりの成長と活躍が不可欠です。当社グループでは、企業ビジョン・ミッションの達成に必要な能力・スキル・行動を定めた“バリュー”の実現を目指し、次の通り人材育成体制の構築を行っています。

成長のためのバリュー 顧客本位の視点
創造性・革新性 技術・専門性 多様性の尊重
当事者意識、基本と正道 オープンコミュニケーション リーダーシップ

バリュー(当社の社員に求められる能力・スキル・行動指針)

グローバルに活躍できるリーダー人材の育成

組織への影響力が大きく、組織成果を左右するリーダー人材の継続的な育成は、企業の成長性・持続性・安定性にとって重要な取り組みです。

また当社グループでは、サクセッションプラン(ポスト起点の次の後継者計画)と、リーダー人材育成制度(人材起点の育成計画)の両輪によって、各ポストの後継者が安定的に供給される状態を目指しています。

職場の人材育成が活性化する環境の構築

人材育成は、OJT(On the Job Training)が基本という考え方をもとに、管理職の目標管理や行動評価において、“部下育成”を評価要素の一部としています。評価と連動させることで、これまで以上に部下育成の意識を高め、OJTの重要性やOJT手法の徹底を図ることにより、効果的な部下育成に寄与しています。

社員が主体的に学習する仕組み

社員が主体的に学習に取り組むためには、自身が成長の必要性を認識し、学ぶべきことを知り、学習したことを職場で実践するというステップが重要と考えています。このステップの具体的な取り組みとして、自身がスキルアップしたいテーマを100コースの中から自由に選択できるe-learningや、自ら手を挙げて参加することができるビジネススキル講座、分野ごとの専門技術講座など、数多くの研修を用意しています。

ローテーションの仕組みの構築

MBO*面談の中で確認した部下の能力やキャリアに対する希望を踏まえた人材配置を行い、キャリア開発と連動させたローテーションを行っています。また、社員のモチベーションアップや組織の活性化のために公募制による人事異動を実施し、積極的にローテーションを行うことで、本人が主体的にキャリアを構築する機会が付与されています。

新入社員教育および若手社員の活性化

新入社員の早期の自立および若手社員の活性化を目指し、導入研修・工場実習、マンツーマンで若手社員が新入社員を指導する育成担当者制度、1年目振り返り研修、研修成果報告会などを実施しています。また、自身の職種に必要な基礎技術・スキル、共通した業務遂行力の習得などを行い、当社グループで活躍できる人材の基礎を築きます。

*MBO = Management By Objectives (目標管理)

画像:能力開発体系図

能力開発体系図

多彩な人材の活用

当社グループは、多彩な人材の活用への取り組みを強化・促進しています。さまざまな違いを尊重して受け入れ、「違い」を積極的に生かすことにより、変化し続けるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに最も効果的に対応し、優位性を創り上げています。

具体的な取り組みとしては、国籍、性別、身体的なハンディキャップの有無を問わず、誰もがそれぞれの能力を生かせる企業として社会に貢献できるよう、採用活動を行っています。また、常にダイバーシティを意識し、障がい者や女性の雇用の推進など、より働きやすく、より魅力的な職場づくりを目指しています。

人権尊重

当社グループは、「ルネサス エレクトロニクスグループCSR憲章」および「ルネサス エレクトロニクスグループ行動規範」において、採用・人材育成・処遇など、雇用に関する全ての面において人権を尊重し、人種、思想、信条、性別、年齢、社会的身分、門地、国籍、民族、宗教、障がいの有無などによる差別や差別的言動を行わず均等な取り扱いをすること、またセクシャルハラスメントや強制労働および児童労働などの禁止について明示しています。これをグローバルに事業を展開するグループ各社に周知徹底し、各国の関係法令遵守は当然のこと、人権教育や啓発活動を行っています。

具体的には、新入社員導入時研修、各階層別研修、全従業員を対象とするWeb研修の実施や、人権週間における行事などを通じた人権啓発への取り組み、また、社内に設置したセクシャルハラスメント、パワーハラスメント、男女機会均等などに関する相談窓口について、従業員が目にする社内イントラネットなどで周知するなど、相談しやすい環境づくりと適切な対応などに取り組んでいます。

ワーク・ライフ・バランス

従業員一人ひとりに対し、やりがいのある仕事と充実した私生活のバランスを図りながら個々人の能力を最大限に発揮できるよう支援するため、さまざまな制度や環境の整備に取り組んでいます。

仕事と家庭・育児の両立をサポートする支援制度は、妊娠・出産・育児・介護などのライフステージごとに活用できる複数の制度を整備し、また支援の形も休暇・休職・短時間勤務・在宅勤務など、従業員のニーズに合わせて選べるよう配慮しています。

ワーク・ライフ・バランス推進の主な施策事例

フレックスタイム制度、裁量勤務制度、出産休暇、配偶者出産休暇、育児・介護休職制度、育児・介護短時間勤務制度、育児・介護在宅勤務制度、裁量勤務制度における部分的在宅勤務(Working at Home)

育児休職制度 育児短時間勤務制度 介護休職制度 介護短時間勤務制度
17名
男女別の育児休職取得率
女性:100% 男性:0%
84名 0名 1名

制度利用実績(2018年度)

また、当社グループでは、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(通称「女性活躍推進法」)に基づき行動計画を策定し、女性の活躍に向けた支援施策に今後とも取り組んでいきます。

安全衛生への取り組み

基本方針

「従業員の安全と健康を守り、安全で働きやすい快適な職場環境を実現する」ことを基本方針として、各種の取り組みを実施しています。

グループ一体の取り組み

各事業所・グループ会社の安全衛生責任者からなる「全社安全衛生会議」において審議・決定された「ルネサス エレクトロニクスグループ防災安全衛生管理方針」に基づき、活動を推進しています。また、安全衛生に関わる各種情報もグループ内で共有化を図り、災害防止や安全衛生活動に活用しています。

具体的な取り組み

  • 安全活動:

    リスクアセスメントやKY活動による災害リスクの抽出と対策を実施し、災害未然防止活動を推進しています。生産ラインを保有する工場では、労働安全衛生マネジメントシステムを導入し、労働災害防止活動を行っています。また、毎年3月11日を「安心と信頼の日」と定め、一斉に職場と家庭の防災点検を実施しています。

  • 衛生活動:

    「体の健康保持増進」「心の健康づくり」「過重労働対策」を中心に、産業医、保健師、産業保健スタッフが連携し、健康診断結果フォロー、カウンセリング、ストレスチェック、メンタルヘルスなどの教育、長時間残業者健診、禁煙・節煙施策などの活動を実施しています。

社会貢献活動

社会貢献活動の支出

当社グループは、日本経済団体連合会が1990年11月に設立した「1%クラブ」の趣旨(経常利益の1%相当額以上を自主的に社会貢献活動に支出する)に賛同し、各分野の社会貢献活動を積極的に展開しています。

地域社会での電子工作機会の提供

当社グループは、親子で参加できる電子工作教室の開催など、当社グループ半導体製品を活用し、子供たちに電機・電子への関心を深めてもらう機会を提供してまいりました。

2018年7月には、当社グループは、高崎事業所において、近隣企業である「協和発酵キリン(株)」と「大塚製薬(株)」と共同で地元住民を対象として、「3社合同オープンファクトリー」を開催し、各社が専門分野に関するイベントを実施しました。当社グループは、小中学生向けのマイコンレーサー教室を主催し、高崎事業所が所在する高崎市西横手町をはじめとする近隣3町内から、幼稚園の年少から高校生や保護者を含む106名に参加いただきました。参加者は、当社製マイコンを搭載した「マイコンレーサー」のプログラミングや組み立てを体験し、プログラミング結果をもとに自走するマイコンレーサーでボウリングやダーツなどを行いました。電子工作を体験するイベントを通じて、モノづくりの楽しさを経験いただくと共に、当社の活動へのご理解も深めていただきました。

当社グループは今後も、次世代の人材育成を意識した活動を続ける一方で、地域社会との共生を図ってまいります。

画像:イベントの様子

地域社会での中古衣類のリサイクル

当社グループは、地域社会の一員として、各拠点で地域住民とともに福祉活動に従事し、社会貢献を目指しています。

2018年10月には、中国・蘇州の製造会社「Renesas Semiconductor (Suzhou) Co., Ltd.」において、蘇州の福祉団体「衣加衣」と連携し、社員から中古の衣類や布団などの寄付を募りました。約10日間で約100点の衣類や布団が集まり、中国国内の辺鄙な地域に居住する高齢者や児童などに向けて衣類や布団を寄付しました。これにより、廃棄物を減らす一方でリサイクルを実現し、環境保全に寄与することができました。

当社グループは今後も良き企業市民として、地域社会での社会貢献活動に取り組んでまいります。

画像:中古衣類のリサイクル

女性エンジニアの育成

ルネサスエレクトロニクス・ヨーロッパは、ドイツのデュースブルク=エッセン大学が運営するMINTの分野(数学、コンピューターサイエンス、自然科学とテクノロジー)における女子生徒を対象とするChanceMINT NRWプログラムで、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州にある企業とネットワークする機会を数年間提供し続けています。

当社グループはAIやADASのセミナーやワークショップを開催しております。2018年にはMINTの女子生徒15人を対象に研究室のツアーとコンピューターグラフィックスのワークショップを行いました。参加者の多くからインターンシップや就業体験の申し込みがありました。

当社グループは今後も教育を支援するとともに、人材育成を通じて地域社会との共生を図ってまいります。

画像:女性エンジニアの育成

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