~3シャント対応高性能アンプとシステム電源機能内蔵により、BOMとスペースの削減が可能~

2021年12月8日

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長兼CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、ブラシレスDC(BLDC)モータアプリケーション用に、スマートゲートドライバ「RAA227063」を発売、量産を開始しました。RAA227063は、SPIインタフェースを介してゲート駆動電流などの特性調整やセンス機能の構成をプログラマブルに設定できるため、ハードウェアの変更をせずに様々なモータ構成(センサ、センサレス)やモータ制御アルゴリズムを駆動可能です。これにより、BLDCモータの設計を簡素化することができます。モータのインバータ設計で一般的に使用されるNチャネルMOSFETと、高い電力密度が必要な場合に使用されるGaN(窒化ガリウム)FETに対応しています。RAA227063は、ルネサスのマイコンはもちろん、様々なマイコンと組み合わせて使用することができます。

 RAA227063は、多くの機能を集積しています。500 mA対応の昇降圧スイッチングレギュレータを搭載しているため、バッテリから低電圧ICへ電力を供給する電源になります。また、マイコンに電力を供給できる200 mAのLDOレギュレータも搭載。プログラム可能な可変ゲイン差動アンプを3チャネル内蔵しており、3シャント構成を容易にプログラミングできます。これにより、設計の簡素化、BOM(部品)コストと基板面積の削減を実現しています。

 ルネサスのインダストリアルアナログ事業部のVice PresidentであるDavin Leeは次のように述べています。「モータ制御システムを開発されている世界中のお客様から、コストとスペースを削減するために、迅速な設計サイクルと高集積化を可能にする柔軟なソリューションが求められています。RAA227063は、これらの機能をすべて備えており、業界をリードするルネサスのマイコンのポートフォリオを補完するものです。」

3相スマートドライバRAA227063の主な特長

  • 高集積化により、インバータの設計が容易になり、アプリケーションの要件に合わせて多様なマイコンを選択可能
  • NチャネルMOSFETとGaN FETの両方に対応
  • ホールセンサやエンコーダなどのポジションセンサを備えたBLDCモータ、およびセンサレスBLDCモータをサポート
  • 6ステップ台形、150度駆動、ベクトル制御のモータ制御アルゴリズムをサポート
  • 逆起電力(BEMF)検知機能により、センサレス制御を実現
  • 最大3相の電流検出をプログラム可能
  • 豊富な安全保護機能により、インバータを致命的な故障から守り、異常警告を表示することでトラブルシューティングを容易化
  • デッドタイム調整機能により、スイッチングによる電力損失を最小化
  • ゲート駆動電流調整機能により、ハードウェアを変更せずにスイッチング特性を調整可能
  • サンプル/ホールド機能により、電流検出、あるいは位置検出の柔軟性を向上し、汎用マイコンでのBLDCモータ駆動が可能
  • 7mm×7mmの48ピンQFNパッケージ
  • 複数のCPUカードを使用できる500Wのインバータを搭載した評価キット「RTKA227063」を提供

ウィニング・コンビネーションについて

 ルネサスは、ユーザの設計を加速させ、より早く市場に投入できるよう、ルネサス製品のポートフォリオを組み合わせたソリューション「ウィニング・コンビネーション」を開発、提案しています。今回、本3相スマートゲートドライバRAA227063とモータ制御用マイコンRA6T2を組み合わせた「BLDCトラクションモータ制御」ソリューションを公開しました。このほかにも、様々なアプリケーション向けに250種類以上のウィニング・コンビネーションをこちらからご覧いただけます。renesas.com/win

3相スマートドライバRAA227063の詳細については、こちらをご覧ください。
renesas.com/RAA227063

3相MOSFETドライバおよび3相FETドライバについては、こちらをご覧ください。
3相MOSFETドライバ、3相FETドライバ

モータ制御ICについては、こちらをご覧ください。
モータ制御IC

以 上

*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。


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